果物解説

桃の栄養は?人気ランキング上位常連の実力を測る 果物別解説-モモ編

ハイサイ!前回は南国フルーツのレンブについて解説しました。

今回はモモ編!果物の人気ランキングでは常に上位にいるメジャーなフルーツですね。どんな栄養があるのか、健康効果はどうなのか調べてみました。

要点まとめ

・生、タルト、缶詰に石鹸や香水まで幅広く使われている
・甘いのに低カロリー!
・食物繊維が豊富、腸の健康をサポートし生活習慣病予防効果もあり

 

果物人気ランキング上位!葉っぱから種まで使える桃の基礎知識【旬は?味の違いは?】

モモはバラ目バラ科、桃属に属する果物です。和名はモモ(桃)、英名はpeachです。

リンゴやナシと同じ、バラ科の果物ですね。

果物人気ランキングでもイチゴに次いで二位常連の大人気フルーツです。

皆さんは桃の旬は分かりますか?何となく秋の味覚の一つと思っている方が多いのではないでしょうか。桃の節句(ひな祭り)が3月3日だったり、「桃の葉」は春の季語、でも「桃の実」は秋の季語だったりと旬が分かりづらいですが、旬は7-8月です。とはいえ、品種により5月ごろから取れたり、10月まで取れたりと幅が広いです。

日本では山梨県で一番多く作られており、次いで福島県、長野県と続きます。

一般的な桃は皮に毛茸(もうじ)という毛が生えていますが、毛がなくつるつるとしたネクタリンやスモモ、プラムといった仲間も作られています。これらはやや酸味があるものの皮ごと食べられるのも特徴です。

白桃の味は甘酸っぱく、果肉はみずみずしくてとても美味しいです。黄桃は白桃に比べ酸味が強めで、実も締まったものが多いです。また、香りも大変良く、ピーチフレーバーは食べ物だけではなく石鹸や香水など、様々な商品で利用されています。

皮を剥こうとすると素手で潰してしまうほど実は柔らかく、傷みやすいため収穫後の消費期限は短いです。そのため缶詰やドリンクなど加工されることも多いですね。

生食はもちろん、コンポート、ゼリー、ジャム、スムージーなど様々な食べられ方をしています。

桃の保存方法ですが、冷蔵庫には入れない方が良いです。これはマンゴーやバナナなど熱帯フルーツにも言える特徴ですが、長く冷やすとかえって傷んでしまう場合があります。完熟の柔らかい桃を買ってきたならば冷蔵庫で冷やしてすぐに食べれば良いのですが、少し硬い場合は常温で追熟(そのまま置いて熟成させること)させ、食べる直前に冷蔵庫で冷やしてから食べるのをお勧めします。

また、花粉症の方は桃を食べることでアレルギー反応が出る場合があるので注意が必要です。これは同じバラ科のリンゴやナシでも同じですね。要は花粉と桃に含まれるアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が似ているので、のどがかゆくなったりイガイガする口腔アレルギー症候群を引き起こす場合があります。

果肉が白い白桃がメジャーですが、黄桃やピンク色の種類のものまで幅広く生産されています。

ちなみに桃の花はこちらです。桜にも似た、とても綺麗な花が咲きます。

桃は果肉以外にも、蕾には利用作用や便秘の改善、葉っぱは解熱や皮膚の炎症を抑える、種は鎮痛作用や炎症を抑えるといった作用があり、漢方で利用されたりしています。

では、この人気の高い桃の栄養はどのようなものなのでしょうか。次で詳しく見ていきます。

 

桃の栄養とは!豊富な食物繊維で便秘予防効果もあり

では、桃の栄養を抜粋してお伝えします。

桃の栄養素(抜粋)

食物繊維(1.3g)
・ビタミンC(8mg)
・ビタミンE(0.7mg)
・カリウム(180mg)
・クエン酸(0.1g)
カテキン
イノシトール
※()内は100g中の含有量を記載

以上のような栄養が含まれています。それぞれの効果について簡単にまとめます。

食物繊維 便秘の解消腸内環境改善、満腹感を維持する
ビタミンC 抗酸化作用、ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンE ホルモンバランスを整える、肩こり・生理痛・冷え性改善
カリウム 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
クエン酸 疲労回復、美容効果
カテキン 抗酸化作用、生活習慣病の予防・改善、血圧・血糖値の上昇を抑制
イノシトール 生活習慣病の予防・改善、神経の働きを保つ、髪を健康に保つ

以上のような効能があります。もう少し深く見ていきましょう。

 

2-1.豊富な食物繊維が含まれており、腸内環境を整えてくれる【甘くても低カロリー】

桃には多くの炭水化物が含まれています。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせた呼び名です。

桃には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれており、腸内環境を整え、便通を改善する効果があります。

水溶性食物繊維とはその名の通り水に溶けやすい食物繊維であり、昆布のぬるぬるの元ですね。小腸での糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急な上昇を防ぎます。また、コレステロールも吸着してくれるので動脈硬化を予防する効果もあります。

不溶性食物繊維は水に溶けませんが、水を含むことはできるので便を柔らかくし、大腸の運動を活発にします。水と一緒に有害物質も吸着して排出してくれるので、大腸がんのリスクが減ります

どちらの食物繊維にも共通するのは人体には吸収されず、腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を改善してくれることです。

また、桃は甘いし、糖質が多いとカロリーも高いのではないかと思う方もいるかもしれませんが、100g当たり40kcalとなっています。リンゴは57kcal梨が43kcalなのでこれらよりも低カロリーなんですね。

さらに、桃にはインスリンの働きを高める効果があるという報告もあり、糖尿病になりにくい果物と言えます。

 

2-2.コレステロール値を下げ、動脈硬化・高血圧予防【糖アルコールとは?】

桃には食物繊維とは別に、コレステロールを下げる栄養素も含まれています。

それはイノシトールという栄養素で、糖アルコールの一種です。糖アルコールとはブドウ糖や果糖など、いわゆる糖質とは別の、甘みを感じる成分です。他の糖アルコールにはキシリトールやマルチトールなどがありますね。

ちなみに、スクラロースやアスパルテームといった人工甘味料とは違いますよ。きちんと自然由来の成分です。

このイノシトールにはコレステロールを下げる効果があり、動脈硬化を防いでくれます。また、脂質を分解する効果もあり、脂肪肝の予防にもなります。

桃にはカテキンも含まれています。桃を食べると皮や種に近い部分など、たまに渋みを感じることがありますよね。あれが緑茶でよく言われるポリフェノールの一種、カテキンの渋みです。

カテキンには様々な健康効果があり、強い抗酸化作用により肌や血管、全身の老化を防いでくれます。更に、動脈にこびりついて血栓の原因となるLDL(悪玉)コレステロールを減らしてくれるため、動脈硬化を予防する効果もあります。

また、桃にはカリウムも含まれており、体内の水分・ナトリウム量を調整し、むくみを改善し高血圧を予防してくれます。

これらの効果をまとめると、糖尿病予防、動脈硬化予防、脂肪肝予防、高血圧予防など生活習慣病を予防してくれる効果があります。

クエン酸が入っているため疲労回復効果があるのも嬉しいですね。

 

【まとめ】桃は甘くてカロリーの低い果物で、生活習慣病予防もできる

今回は桃について解説しました。内容を簡単にまとめます。

・人気ランキング上位常連、桃を食べるときは食べる直前に冷蔵庫で冷やそう

・果肉だけでなく葉や種、蕾も広く利用されている

・甘いのに低カロリー(40kcal/100g)

・食物繊維やポリフェノールが豊富、生活習慣病予防効果もあり

以上です。皆さんも桃を食べて、毎日健康に過ごしていきましょう!