果物解説

天然のゼリー、アケビの栄養を解説 果物別解説-アケビ編

ハイサイ!前回はイチジクについて解説しました。

今回はアケビ編!日本に古くからある果物の一つですが、最近は食べたことのない人も減ってきているのではないでしょうか。

そんな少し珍しい果実、アケビの栄養や魅力などを解説します!

要点まとめ

・古くから日本に自生している、素朴な甘さの果物
・見た目のインパクトに反して強いクセはなく、皮はほろ苦く山菜として食べられている
・ビタミンCなど抗酸化作用のある成分が豊富で、美肌や生活習慣病を予防する効果あり

 

アケビはこんな果物!旬の時期や味は?

アケビはキンポウゲ目アケビ科、アケビ属に属する果物です。和名はアケビ(木通、山女)、英名はakebiaもしくはchocolate vineです。

と同じように古くから日本に自生していた果物の一つです。

世界でも主に日本で食べられている果物で、山形県、愛媛県、秋田県などで栽培されています。特に山形県で9割のアケビが生産されています。

石垣島や沖縄でも生っていますが、ほとんど流通はせず、自生していたり個人で育てていた李といった具合です。どちらかというと沖縄地方ではムベと呼ばれるアケビに似た果物の方が見かけるかもしれません。

アケビは北海道を除く日本中の広い範囲で生えており、田舎の山の中には割とどこでもあるような果物です。

ですが、最近は食べられることが少なく、なじみが薄くなってきた果物でもあります。

旬は9-10月頃の秋に食べ頃を迎えます。鮮やかな紫色の皮がパカっと割れ、中には白いゼリー状の果肉に包まれた種が入っています。

種を取り出すのは難しいため、果肉と一緒に食べてしまって問題ありません。

味はかなり甘く、酸味はありません。特に強い風味があるわけではなく、強いて言えば柿に似た味がします。食感はねっとりとしており、素朴な甘みを楽しむことができます。

また、皮も食べることができ、こちらは苦みがあり山菜として食べられています。油でひき肉と炒めたり、刻んで味噌で炒めて食べられているようです。

なかなかインパクトのある色や見た目をしていますが、食べてみると強い癖はなく案外食べやすいです。しかし甘みが強いため、一度にたくさんは食べられないと思います。

 

アケビの栄養!美肌に貧血予防、生活習慣病の予防効果も

アケビの栄養素を抜粋して紹介します。

アケビの栄養素(抜粋)

・熱量(82kcal)
食物繊維(1.1g/3.1g)
ビタミンC(65mg/9mg)
・ビタミンB1(0.07mg/0.03mg)
葉酸(30μg/16μg)
・カリウム(95mg/240mg)
サポニン
・アントシアニン
※()内は100g中の含有量を記載
※数値が二つあるものは果肉に含まれる量/皮に含まれる量を記載

このような栄養素が含まれています。基本的には比較的含有量の多いものを抜粋していますが、その中でも特に多いものや注目すべきものを太字にしています。

特徴としては果物にしては水分量が少ない分、糖質が多くカロリーが高めになっています。

また、食物繊維やカリウムは皮の方が多く、ビタミンCやビタミンB1、葉酸といったビタミン類は果肉の方が多く含まれています。

では、それぞれの栄養素の効能を簡単にまとめます。

食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
ビタミンC 抗酸化作用ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
葉酸 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防
カリウム 高血圧予防むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
サポニン 肥満予防、血流改善、免疫力を高める、肝機能を高める
アントシアニン 視覚機能の改善、眼病予防、花粉症予防、メタボ予防

このような効果が期待できます。もう少し詳しく解説します。

 

2-1.豊富なビタミンCを含んでおり、美肌効果がある!

アケビには豊富なビタミンCが含まれています。

ビタミンCには様々な効能がありますが、まずメラニン色素の沈着を防ぎ、シミ・そばかすを予防してくれます。

コラーゲンの合成にも必要なので、シワを予防してハリのある肌を維持し、傷などの治りを早める効果もあります。

他にもストレスを和らげたり、感染症を予防する効果もあり、ビタミンCの健康効果はとても高いです。

 

2-2.生活習慣病を予防する効果がある!【カリウム、食物繊維他】

アケビ(特に皮の部分)には多くのカリウムが含まれています。

カリウムは体内の水分量・ナトリウム量を調整し、細胞の浸透圧を一定に保っています。

余分な水分やナトリウムを排出してくれるため、むくみや高血圧を予防してくれます。

また、食物繊維も豊富で、LDL(悪玉)コレステロールを減らし腸内環境を整えてくれます。

更にアントシアニンやサポニン、ビタミンCといった抗酸化作用のある成分も多く、動脈硬化、脳卒中、心臓病、脂肪肝、糖尿病といった生活習慣病予防にも効果を発揮します。

サポニンは高麗人参など、植物の根や葉に含まれる成分ですね。

アケビには他に、葉酸も含まれているため胎児の神経発達を促したり貧血予防にも効果があります。

このようにアケビには多くの栄養素が含まれており、肌の健康から病気予防など体内の健康までサポートしてくれます。

 

【まとめ】古くから日本に自生するアケビは優しい甘さで美容や病気予防に良い果物だった

今回はアケビを紹介しました。簡単に内容をまとめます。

・旬は秋、果肉はかなり甘く、皮はほろ苦い山菜の味

・ビタミンCが豊富で美容効果抜群

・アントシアニンやサポニン等抗酸化作用のある成分も多く、生活習慣病を予防する効果もある

以上です。皆さんも山菜採りが許可されている近くの山や、ネット通販などでアケビを一度食べてみて日本の味を楽しんでみて下さい。