野菜解説

特に栄養価の高い緑黄色野菜、ほうれんそうを解説 野菜別解説-ほうれんそう編

ハイサイ!前回はトレーニー達にも愛される高栄養野菜、ブロッコリーを解説しました。

今回はほうれんそう編!こちらも緑黄色野菜の中でかなり栄養価の高いことで知られています。

旬の時期や味、栄養について紹介します!

要点まとめ

・冬が旬の葉物、栄養価の高い緑黄色野菜
・豊富な鉄分、カロテンで貧血予防、アンチエイジング効果も
・卵や鰹節と一緒に食べるのがおすすめ

 

ほうれんそうの基礎知識【旬、味、食べ方など】

ほうれんそうはナデシコ目ヒユ科、ホウレンソウ属に属する野菜です。和名はホウレンソウ(法蓮草)、英名はspinachです。

ほうれんそうは中央アジア、カスピ海西部辺りを原産とする野菜です。

日本は世界でも比較的多くほうれんそうを栽培している国で、中国、アメリカに続き世界三位の生産国となっています。

国内だと千葉県、埼玉県、群馬県がトップ三県です。

比較的寒いところや寒い時期で育てられる植物で、旬の時期は冬(11月-1月ごろ)になります。

ほうれんそうは寒いと栄養を蓄える性質があり、収穫前に冷気に当てる寒締めと呼ばれる手法が取られます。

これによって糖度が増し、甘くなる他ビタミンやミネラルも多くなります。

味は甘みと苦み、うま味が良いバランスで含まれており、葉物の中でも味がはっきりしています。基本的に灰汁が強く、水にさらす、茹でるなど灰汁抜きの作業が必要です。品種によっては灰汁の少ないサラダ用のものもあります。

食べ方はいろいろあり、基本的には熱を通して食べます。おひたし、炒め物、しゃぶしゃぶ、ピザ、家系ラーメンの具、キッシュ、ポタージュなどなど、活躍の場が広い野菜ですね。

ほうれんそうはとても栄養価の高い野菜としても知られており、次の項で詳しく解説しようと思います。

 

ほうれんそうの栄養!ビタミンやカロテン、鉄分が豊富!

それではほうれんそうの栄養素を抜粋して紹介します。

ほうれんそうの栄養素(抜粋)

・熱量(20kcal)
βカロテン(4200μg)
・ビタミンB1(0.11mg)
・ビタミンB2(0.20mg)
・ビタミンB6(0.14mg)
葉酸(210μg)
ビタミンC(35mg)
・ビタミンE(2.1mg)
・ビタミンK(270μg)
鉄分(2.0mg)
・マグネシウム(69mg)
※()内は100g中の含有量を記載

このような栄養素が含まれています。全体的に含有量が高く、栄養豊富と言われるのが分かります。

では、栄養素の効能をそれぞれ簡単に並べてみます。

βカロテン 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
ビタミンB2 脂質の代謝、成長促進、老化予防
ビタミンB6 脂質の代謝、造血作用、アレルギー緩和、ホルモンバランスを整える
葉酸 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防
ビタミンC 抗酸化作用ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンE ホルモンバランスを整える、肩こり・生理痛・冷え性改善
ビタミンK 出血を止める、骨の健康を保つ
鉄分 疲労改善貧血予防
マグネシウム カルシウムの補助、不整脈予防、体温・血圧の調整、血糖値の調節

このような効能があります。それでは、特に注目すべき効果についてもう少し詳しく解説します。

 

2-1.豊富な鉄分で貧血予防に効果的!

ほうれんそうといえば、鉄分が多く貧血予防になる野菜という印象がある人も多いのではないでしょうか。

これは間違いありません。

そもそも貧血とは、赤血球の中に含まれているヘモグロビンの量が減少することが原因です。

ヘモグロビンは酸素と結合して、体中に酸素を運ぶ役割を持っています。

これが足りないと、息切れ、疲れやすい、立ち眩み、顔が青白くなるなどといった貧血の症状が現れます。

ほうれんそうはヘモグロビンの材料である鉄と葉酸、そして鉄の吸収を高めてくれるビタミンCが豊富に含まれています。

このため貧血予防の効果は非常に高いと言えます。

ちなみに、鉄分は動物性のたんぱく質と一緒に取ると更に吸収が良くなります。

ベーコンと卵と一緒にほうれんそうをソテーするのは貧血予防には特に効果的な調理法です。

 

2-2.美肌効果や免疫力を高める効果、血液サラサラ効果まで!

ほうれんそうに特徴的に多い成分として、βカロテンが挙げられます。

βカロテンは抗酸化作用を持ち、紫外線やストレスによって発生するか性酸素を抑制し、ビタミンCと一緒にメラニン色素の沈着を防いでくれます。

これによりシミ・そばかすの予防ができます。

抗酸化作用とは老いの原因となる活性酸素を除去してくれるため、つまりアンチエイジング効果があると言えます。

また、βカロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、皮膚や粘膜を守り視覚機能も改善してくれます。

ほうれんそうにはβカロテンやビタミンCに加え、「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEも含まれています。

これらの栄養成分により肌にハリを保ちシワの予防効果が期待できます。

βカロテンやビタミンC、ビタミンEには他に免疫力を高め風邪を予防する効果もあります。口内炎の予防効果も報告されています。

さらに、抗酸化作用は肌を若々しく保つだけではなく、LDL(悪玉)コレステロールを減らし、血液をサラサラにし動脈硬化予防の効果もあります。

血液サラサラになり、血流が改善すると血栓ができにくくなり、脳卒中や心疾患のリスクも減らすことができます。

このようにほうれんそうはその豊富な栄養が様々な相乗効果を生み出し、健康に寄与しています。

 

2-3.「胃腸のほうき」と呼ばれるほど便秘解消効果がある!

「畑の肉(大豆)」や「森のバター(アボカド)」など、食材には様々な二つ名がありますが、ほうれんそうは「胃腸のほうき」と呼ばれることがあります。

その豊富な食物繊維や、食物繊維をサポートするビタミンC、腸の運動を活発にするビタミンB1などがバランスよく含まれているため、かなりの便秘解消効果があるためです。

たまに勘違いしている人を見かけますが、便秘解消と下痢の改善は矛盾する効果ではありません。

食物繊維は便を柔らかくする作用もあれば、腸内の水分をまとめる効果もあります。

要は形の良い健康的な便を作り、排泄を正常にしてくれるということですね。

ちなみに・・ほうれんそうを食べると結石ができるという話について

ほうれんそうにはシュウ酸が多く含まれており、確かに腎臓や尿管に結石ができることがあります。

ただし、これは大量のほうれんそうを長期間摂取し続けた際にリスクが上がるものであり、通常の食べ方ではほとんど問題はありません。

既往のある人は気を付けるべきだと思いますが、過剰に結石を恐れ、ほうれんそうの栄養を取れない方が別の病気のリスクを高めている可能性もあります。

心配な人は、シュウ酸はカルシウムと結合すると体内で吸収されにくくなるため、牛乳や鰹節などと一緒に食べると対策になります。

また、シュウ酸は水に溶けるため灰汁抜きを兼ねて水にさらしたり、茹でこぼしたりすることでもリスクを下げられます。

ただし、この方法だとビタミンCなども溶け出してしまうため、適度に行うことが大切です。

結局のところは、あえて過剰に長い時間水につけたり茹でたりするより、乳製品を一緒に取ったり、おひたしに鰹節をかけたりと、通常の料理で無理なく組み合わせましょう。そして、毎日三食ほうれんそうなどといった過剰摂取をしなければまず問題ありません。

 

【まとめ】ほうれんそうはかなり栄養価の高い緑黄色野菜で、貧血や美肌、便秘予防に効果がある

今回はほうれんそうを解説しました。

かなり栄養価の高い野菜の一つで、多くの健康効果があります。食べる際には卵など、動物性のたんぱく質と一緒に食べるのがおすすめです。

最後に内容を簡単にまとめます。

・冬が旬の緑黄色野菜

・平均的に高い栄養価を誇り、貧血予防、美容、便秘解消に効果あり

・卵や牛乳、鰹節などと一緒に食べると鉄分の吸収を高め、結石のリスクも減らせるのでおすすめ

以上です。皆さんも旬の時期にほうれんそうを食べ、血を作り元気に過ごしていきましょう!