野菜解説

きゅうりは栄養がない、ことはない! 野菜別解説-きゅうり編

ハイサイ!前回はサトウキビについてお話ししました。

今回はきゅうり編!一年中食べられる野菜で、特に夏野菜の代表としても知られていますが、栄養がないと思っている方も多いのではないでしょうか。

実はそんなことがないきゅうりの魅力、お伝えしていきます!

要点まとめ

・水分が多く、あっさり
・夏バテ予防、ダイエットに効果的
・決して栄養価は低くない!

 

きゅうりはこんな野菜!

きゅうりはウリ目ウリ科、キュウリ属に属する野菜です。和名はキュウリ(胡瓜)、英名はcucumberです。

蔓性の植物で、黄色い花を咲かせます。ネットを張って上に這わせているのをよく見かけますが、地面を這わせても実はつきます。

旬は7-8月が最盛期であり、トマトやナスと並んで夏野菜の代表格ですね。

味はウリ科特有の青臭さがありますが、みずみずしくさっぱりと食べられます。皮は非常に薄いため、そのまま食べられるのもいいところです。

表面のイボが硬い場合、包丁の背でなでるようにそぎ落としたり、あるいはまな板に塩をたくさん振って手でゴリゴリと転がす板摺りをすることで食べやすくなります。

あっさりとした風味のため様々な調理法があり、生でサラダに入れたり、叩いて割ってごま油と塩昆布をかけたり、みそ汁に入れたり漬物にしたりと広く利用されています。

沖縄の方には赤毛瓜(モーウイ)というキュウリの仲間が作られており、煮込んだりサラダにしたりと同じように親しまれています。

もちろん普通のきゅうりも栽培されており、日本全国で楽しまれている野菜ですね。

 

きゅうりの栄養!決して水分だけではなかった

では、きゅうりの栄養素についてみていきます。きゅうりと言えばほとんど水分だけで栄養がない、というイメージを持たれていることも多いですが、そんなことはありません。確かに、全体のおよそ95%が水分でありカロリーも100g当たり14kcalと非常に低いです。

実際、最もカロリーの低いフルーツ(果菜:果実部分を食べる野菜。他にもトマトやナスなど)としてギネス記録に登録されています。しかし、ほとんどの野菜の水分は90%以上であり、カロリーが低いからと言って栄養も低いというわけではありません。

気になる栄養素を抜粋しててみましょう。

きゅうりの栄養素(抜粋)

カリウム(200mg)
・βカロテン(330μg)
・ビタミンC(14mg)
・ビタミンK(34μg)
・銅(0.11mg)
モリブデン(4μg)
・ククルビタシンC
フィセチン
ホスホリパーゼ
※()内は100g中の含有量を記載

以上がきゅうりに特徴的な栄養素となります。では、それぞれの効能についてまとめます。

カリウム むくみ予防夏バテ予防、高血圧予防、筋肉痛の緩和
βカロテン 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上
ビタミンC 抗酸化効果、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンK 出血を止める、骨の健康を保つ
貧血予防、免疫力向上、骨や血管を強くする、髪や肌を健康に保つ
モリブデン 酵素の働きを助ける、貧血予防、食道がん予防
ククルビタシンC 抗がん作用 ※取りすぎ注意
フィセチン 抗炎症作用、認知症予防、糖尿病予防、アンチエイジング効果
ホスホリパーゼ 脂肪燃焼効果、脂肪を分解・体外への排出を助ける

主な効果はこのようになります。もう少しわかりやすく掘り下げてみます。

 

2-1.まさに夏野菜、夏バテ予防に効果あり!

お伝えしたようにきゅうりは水分量が多く、またカリウムも平均程度は含んでおり、夏バテ予防に効果があります。

なにより味があっさり、さっぱりしているため食欲がなくても食べられるのもいいところです。

うだるような暑さの夏、冷やしたきゅうりをそのまま食べたり、きゅうりの漬物でお茶漬けを食べたりするだけでも栄養補給になります。

 

2-2.きゅうりはダイエットに効果的!

ダイエットの本来の意味は体の状態を健康にするという意味です。現代では痩せることと捉えられがちですが、できるだけ健康的に痩せたいものです。

きゅうりはカロリーが野菜の中で最も低く、かつホスホリパーゼという酵素の力で脂肪を分解してくれます。

なおかつ、ある程度の栄養も取れるとなると健康的なダイエットに向いた野菜と言えます。

カリウムの効果でむくみも解消してくれるため、水分太りも起きにくいです。

食物繊維も含まれているためある程度の腹持ち、整腸作用が期待できるのも嬉しいですね。

もちろん、きゅうりばかりを食べていては栄養が偏ってしまいますが、ダイエットにおすすめの野菜というのは間違いありません。

 

2-3.「きゅうりはビタミンCを壊す」は嘘?

きゅうりにはアスコルビナーゼというビタミンCを酸化させる酵素が含まれています。そのため、ビタミンCを壊すという表現はあながち嘘ではないのですが、この酸化されたビタミンCは体内できちんと酸化前の状態に戻ってくれます。

そのため、「きゅうりでビタミンCは摂取できない」というのは嘘になります。

実際、ビタミンC含有量はどの野菜もこの還元型ビタミンCと酸化型ビタミンCを合算した量を記載しており、どちらも体内でのビタミンCの働きは変わりません。

この酵素はきゅうりの他ににんじんやリンゴなどにも含まれています。酢や加熱によりアスコルビナーゼの活性を抑えられますが、ビタミンCは加熱でも失われやすいので難しいところですね。

ですが、きゅうりは酢で和えても美味しいのでこれはありかもしれません。

 

2-4.苦いきゅうりには気を付けよう

たまに、苦いきゅうりを食べたことはありませんか?あれはククルビタシンCという成分によるもので、主にヘタの部分に含まれています。

苦くなる原因は個体差や育てられ方によって増減するので一概に言えませんが、単純においしくなくなるためできるだけ避けたいところです。

抗がん作用があると言われており、少量の摂取ならば問題ありませんが、大量に取ると食中毒や嘔吐、下痢といった症状を引き起こす可能性があるためあまり苦いきゅうりは食べ過ぎないようにしましょう。

塩で板摺りしたり、流水にさらす、漬物にするといった手法である程度苦みは抑えることができます。しかし流水にさらすとビタミンCなどは流出してしまうため、少しもったいないですね。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。きゅうりの魅力、伝わりましたか?簡単に内容をまとめます。

・カロリーが少ないだけで栄養はきちんとある!

・夏バテ予防に効果あり

・ダイエットにも適している

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