野菜解説

パプリカについて語る ピーマンの二倍のビタミンCが! 野菜別解説-パプリカ編

ハイサイ!前回はゴーヤについてお話ししました。今夏はパプリカ編、栄養価や効能、ピーマンとの違いについてみていこうと思います!

要点まとめ

・パプリカは大きく甘い、ピーマンは小さく苦い
・ビタミン、カロテノイドによる強力なアンチエイジング効果
・生でも焼いても美味しいパプリカ

 

パプリカってどんな野菜?

パプリカはナス目ナス科、トウガラシ属に属する野菜です。和名はパプリカ、英名はbell pepperです。いわゆるトウガラシの一種ですね。トウガラシですが辛みはなく、むしろ甘みがあります。アマトウガラシという分類で、ピーマンやシシトウも同じ部類ですね。

実の生り始めは緑色で、ほとんどピーマンとの見分けはつきません。大きくなるにつれてだんだんと色づいてきます。ただ、これはピーマンでもそうなため、なおさら区別がしづらくなっています。しかししっかりと違いはあるため、次の項で説明しますね。

味は甘みがあり、辛みは全くありません。食感も肉厚でみずみずしく、皮は厚めでパリッとしています。生でも加熱しても美味しく食べることができます。

非常に鮮やかなため、サラダの彩りで入れたり、ピザに入っていたり、スムージーに入れたりとパプリカを使うと料理が華やかになります。パエリアや夏野菜カレーにもよく入っていますね。単純に火にかけたりオーブンで焼いてから皮を剥いて食べてもとてもジューシーで美味しいです。

 

パプリカとピーマンの違い

では実際、パプリカとピーマンの違いとは何でしょうか。まず表にまとめます。

違い表 ビタミン 厚み
パプリカ 赤、黄色、橙 甘い A,C,E 厚い 丸い
ピーマン 苦い A,C 薄い 細長い

このような違いがあります。

こうしてみると割と違いますね。特に味や形、ビタミンの種類などは明確に違います。ですが、そのほかの色や厚みに関しては品種や熟成度合いによって変わってくるのであいまいな部分です。

ですがざっくりと、分厚くて全体的に大きく丸っこいのがパプリカ薄くて細長いのがピーマン、と言えそうです。

2-1.カラーピーマンについて

パプリカもカラーピーマンの一種です。先ほど、パプリカも実が出てくるときは緑色と言いました。初めはパプリカもピーマンも緑色で、熟して色づいたものをどちらもカラーピーマンと呼びます。その中でも肉厚で甘みのあるものをパプリカと区別している、ということですね。

ピーマンも熟すと色づいてきて、緑→黄→赤と変わっていきます。それに伴ってビタミンCが増えたり、味も苦みが減ったりとパプリカに近づいていきます。同じ種類の別の品種といった扱いなので似ているのは当然なのですが、それでもピーマン独自の利点もあります。

まずは味。独特の苦みが好きな方も多いでしょう。

次に食感。パプリカよりもシャキシャキとしており、青椒肉絲初め炒め物にはその食感が合う場合も多いです。

最後に栄養。青いピーマンにはピラジンという血液をサラサラにする成分が入っています。青臭い匂いの成分ですね。

厳密にいうと青ピーマンにもビタミンEは含まれていますが、それでも青ピーマンが色づいたものよりパプリカの方が明らかに含有量は多いです。栄養面ではパプリカの方が優れていると言えそうです。

 

パプリカの栄養素

それでは、パプリカの主な栄養についてお話しします。

パプリカの栄養素(抜粋)

・βカロテン(940μg)
・ビタミンC(170mg)
・ビタミンE(4.3μg)
・βクリプトキサンチン(230μg)
ビタミンP
カプサンチン
ゼアキサンチン(1608μg)
※()内は100g中の含有量を記載

このような成分が含まれています。それぞれの効果については以下の表をご覧ください。

βカロテン 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上
ビタミンC 抗酸化効果、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンE ホルモンバランスを整える、肩こり・生理痛・冷え性改善
βクリプトキサンチン 脂肪燃焼効果、骨粗鬆症、肝機能異常症、動脈硬化、2型糖尿病予防
ビタミンP(ヘスペリジン) ビタミンCを安定させる、冷え性改善、血圧を下げる、ストレス改善
カプサンチン アンチエイジング効果、がん予防、動脈硬化予防
ゼアキサンチン 抗酸化作用、目の健康維持

概ねこのような効果が期待できます。それではもう少し詳しく見ていきましょう。

 

3-1.若返りビタミンによる強力なアンチエイジング効果

ビタミンE若返りビタミンと言われています。非常に強い抗酸化作用があるためですね。それに加え、パプリカの特徴として、含まれているビタミンの組み合わせが非常に合理的というものがあります。

ビタミンエースと言われるA(βカロテン※βカロテンは体内でビタミンAに変換されます)、C、Eに加え、ビタミンCを熱から守り、崩壊を防ぐビタミンP(ヘスペリジン)も含まれています。

これらが相互にかみ合い、相乗効果を生むことで非常に強い抗酸化作用(アンチエイジング効果)を生み出しています。

ビタミンのみではなく次に紹介するカプサンチンやゼアキサンチンにも抗酸化作用はあるため、全体として老化防止にとても効果的な野菜と言えます。

 

3-2.トマトの100倍!?キサントフィルによる抗酸化作用

抗酸化作用とアンチエイジング効果はほぼイコールです。そもそも老化とは、活性酸素という酸素によって細胞が酸化(錆びる)ことによる変化を言います。それに抗うのが先ほどのビタミンACEやキサントフィルといった抗酸化作用(細胞の代わりに酸化され、活性酸素を違う物質へ変えたりする作用)をもつ成分です。

活性酸素による酸化には様々なものがあり、皮膚のしわやたるみといった表面に見えるものから血管の劣化による動脈硬化など、体の中の老化もあります。抗酸化作用というのはそれ全てに関わる活性酸素に抵抗するため、体の中と外の老化を遅らせる=アンチエイジング効果となるわけですね。

パプリカに豊富に含まれているカロテノイドという色素は、カロテン類とキサントフィル類に分かれます。カロテンとはβカロテンなどですね。そしてキサントフィルとは、先ほども少しお話ししたカプサンチンゼアキサンチンのことです。

このように、カプサンチンゼアキサンチンは抗酸化物質です。作用機序は違いますが、活性酸素に対抗するという性質は同じで、カロテン類に比べてより抗酸化作用が強いと言われています。

そしてこのキサントフィルがトマトの100倍含まれているのがパプリカですね。もちろん、トマトには有名なリコピンが含まれていますが、リコピンはカロテン類なのでより抗酸化作用が強いキサントフィルを含んでいるパプリカの方がアンチエイジング効果が強い、と言えます。

当然これは抗酸化作用のみに絞った話で、他の栄養素との兼ね合いもあるためパプリカの方が健康効果が強い、と言っている訳ではありません。トマトはトマトですごい野菜です。また解説しようと思います。

アンチエイジング効果の他にカプサンチンは生活習慣病予防、ゼアキサンチンは目の健康を保持する効果があります。

特にゼアキサンチンは紫外線やエネルギーの強い青色の光を吸収する効果があり、目へのダメージを軽減します。加齢に伴って進行する黄斑変性症白内障の予防に効果的です。天然物質にブルーライトカット効果があるのは面白いですね。

 

3-3.脂肪燃焼効果まで!

βクリプトキサンチンは、脂質の代謝を改善する効果があります。中性脂肪、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、メタボリックシンドローム予防に効果があります。

他に骨形成を促進し、骨の分解を抑制することで骨密度の上昇、血糖値を下げ糖尿病予防効果なども認められています。

このβクリプトキサンチンは特に赤パプリカに多く、ピーマンの77倍程度含まれています。

上述したカプサンチンやゼアキサンチンも赤パプリカに特に多いため、パプリカの中でも黄色やオレンジよりは赤の方が栄養価が高いということになります。赤い野菜はすごいですね。

 

まとめ

今回はパプリカについてお話ししました。トマト初め、緑黄色野菜は何かと健康効果が高いですが、その中でも強いアンチエイジング効果を持っていることが分かりました。

・肉厚で丸っこいものがパプリカ、薄く細長いものがピーマン

・とても強いアンチエイジング効果

・ダイエット効果まである

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スーパーで一年中手に入りやすいのも魅力の一つですよね。あまりイメージはないかもしれませんが、石垣島でも栽培されています。美味しいパプリカを食べて、健康に過ごしていきましょう!