野菜解説

健康長寿の源?ゴーヤの凄さを徹底解説! 野菜別解説-ゴーヤ編

ハイサイ!今回はゴーヤについて解説します!非常に苦みのある沖縄を代表する野菜ですね。

前回まで果物中心に解説していきましたが、今後は野菜についてもお伝えしていこうと思いますのでよろしくお願いします!

要点まとめ

・ゴーヤは健康長寿の源!
・夏バテ予防、抗酸化作用、ダイエット効果も
・ゴーヤを効率よく食べるには、ワタも種も食べよう!

 

ゴーヤの基礎知識

ゴーヤはウリ目ウリ科、ツルレイシ属に属する植物です。和名はニガウリやツルレイシ、英名はbitter melonです。ゴーヤは石垣島を含む八重山地方の方言ですね。ゴーヤーゴーヤで表記揺れが見られますが、ゴーヤーは沖縄本島地方の方言です。同じものを表しているので、どちらも正解です。

九州地方などではニガウリという呼び方も広く使われています。ゴーヤチャンプルーなどが沖縄料理としてメディアに取り上げられることが多くなり、ゴーヤという名前が本州でもなじんでいるかなと思います。本サイトは石垣島にフィーチャーしているため、ゴーヤという名称で統一させていただきます。

ゴーヤは蔓性の植物で、グリーンカーテンなどにもよく使われていますね。プランターに植えてその上に網を張れば割と簡単にできるので、夏の暑い日差しを遮るのにおすすめです。

沖縄でしか育たないと思われている方もいるかもしれませんが、夏であれば本州でもぐんぐん伸び、実も付けてくれます。秋冬には枯れてしまいますが、夏の間は日差しを遮り、寒くなってきたら日光を入れたいという方には特におすすめの植物カーテンです。

実は緑色でごつごつしていますが硬くはなく、すんなりと包丁が入ります。ただし、種が全体にあるため斬る時には抵抗を感じるかもしれません。

完熟すると全体は黄色くなり、種は赤いゼリー状の皮に包まれます。やや苦みが抑えられ、種の周りのゼリー部分はむしろ甘くなります。

初めて見るとびっくりしてしまいますが、腐っているわけではないので安心してください。

売られている緑のゴーヤも追熟(収穫後に置いておくことで熟成が進むこと)してどんどん実が黄色くなり、破裂してきます。実が柔らかくなり、苦みも少なくなるので、苦みの苦手な方や一度甘い種を味わってみたい方、黄色の彩りが欲しい方などは熟すまで待ってもいいかもしれませんね。

味についてはご存じの方も多いと思いますが、緑色のゴーヤは野菜の中でもかなり強い苦みを持っています。ピーマンなどとは比較にならない苦みですので、苦手な方もいらっしゃるでしょう。

しかし、炒め物にしたり、和え物にしたり、サラダに入れたりスムージーにしたりと広く利用されており、独特の苦みを愛する方も多くおられます。

あの苦みや後を引かないガツンときてサッと通り過ぎる風味はビールや泡盛にも合いますよ。

食感はシャキシャキとしており、サラダやおひたしでは歯切れ良い食感を楽しめます。火を通すとしんなりして、これまた違った食感が楽しめます。完熟したものはほろほろとすごく柔らかくなるので、これまたサラダに入れたりスムージーに入れたりするのがおすすめです。熱を通すとバラバラになってしまうことが多いため、完熟のものは生で食べる方が良いと思います。

ゴーヤをよく食べる沖縄県は健康長寿な方が多いです。その源とも言われるゴーヤの栄養についてみていきましょう。

 

健康長寿の源!?ゴーヤの栄養について

それではゴーヤの特徴的な栄養素を抜粋してお伝えします。

ゴーヤの栄養素(抜粋)

ビタミンC(76mg)
・βカロテン(160μg)
・カリウム(260mg)
・ビタミンB1(0.05mg)
・葉酸(72μg)
ビタミンK(41μg)
共役リノール酸
モモデルシン
※()内は100g中の含有量を記載

特徴的なものはこのあたりですね。

ではそれぞれの効能を簡単にまとめます。

ビタミンC 抗酸化作用感染症予防美肌効果
βカロテン 夜盲症の予防・改善、がん予防、体を成長させる、美肌効果
カリウム むくみ予防夏バテ予防、高血圧予防、動脈硬化予防
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持
葉酸 胎児の健全な育成、貧血予防
ビタミンK 出血を止める、骨の健康を保つ
共役リノール酸 肥満予防、筋力増強、アレルギー改善、冷え改善、動脈硬化予防
モモデルシン 食欲不振改善、夏バテ予防胃腸を助ける、糖尿病予防

このような効果があります。それでは、注目すべきものについてさらに掘り下げてみます。

 

2-1.健康長寿のもとは苦み成分にあった!

聞きなじみのないモモデルシンは、ポリフェノールの一種で、ゴーヤの苦みのもとになっている成分です。

この成分こそがゴーヤの特徴であり、健康長寿の源ではないかと言われています。実際にはこの成分のみではなく、ククルビタシンチャランチンといった他の成分も関わっています。

これらの成分には胃酸の分泌を助けた上で胃粘膜を保護し、血糖値を下げ、LDL(悪玉)コレステロールを下げるなど様々な効果があります。

このモモデルシンの作用により、胃の活動が活発になり、食欲が増進します。つまり夏バテの解消に繋がるわけですね。

他にゴーヤに含まれるビタミンB1や食物繊維により、糖尿病の予防効果が高まります。食欲増進し、生活習慣病の予防にもなる。非常にかみ合った効果だと思います。

健康長寿についても、この成分の科学的な効果もあるでしょうが、よく食べる人は良く生きると言います。年をとってもたくさん食べてよく栄養を取れる人が長生きをするというのはとても納得がいきます。

ゴーヤを食べることにより、胃を保護しながら他のものもよく食べられるようになり、結果健康維持、長生きに繋がる。そういうことなのではないかと思います。

 

2-2.骨を強くし、健康をサポートする

ゴーヤに含まれる成分としてビタミンKがあります。骨を強くするというとカルシウム、マグネシウムのイメージが強いですが、もちろんこれらもゴーヤに含まれています。

ビタミンKというのは主な効果は血が出たときにそれを固めて止める、止血効果が主なのですが、カルシウムの働きや吸収をサポートする役割もあります。また、骨からカルシウムが出ていかないように抑制する効果もあります。

これらはビタミンDと共に取ることでより効果を増します。残念ながらゴーヤにはビタミンDは含まれていませんが、よく一緒に食べられるツナに多く含まれています。油に溶けやすい脂溶性でもあるビタミンKやビタミンDを摂取するのにゴーヤチャンプルーは非常に理にかなった食べ方と言えますね。

この骨を強くするという作用も健康長寿に一役買っていると言えそうです。

 

2-3.熱に強い?ゴーヤは効率よくビタミンCを摂取できる

ゴーヤにはビタミンCが多く含まれています。このビタミンCや同じく含まれているβカロテンには細胞の酸化を防ぐアンチエイジング効果や、血管を若く保ち動脈硬化を予防する効果があります。

通常、ビタミンCは熱に弱く熱を加えると破壊されてしまいます。また、水に溶けて流れ出てしまいます。ゴーヤに含まれるビタミンCが他の野菜に含まれるビタミンCに比べて科学的な構造の違いを持っているために熱に強い、というわけではありません。

しかし、例えば同じくビタミンCを多く含むブロッコリーなどは茹でることが多いため、水に溶けだす+熱による分解で多く失われると言われています。

一方、ゴーヤの調理方法は炒め物にしても和え物にしても、長時間熱を加えることはありません。サッと油でいためて食べることが多いです。また、サラダやスムージーなどでは生の状態で食べます。

また、ゴーヤは皮が厚く丈夫なため熱による破壊が起こりにくいという意見もあります。つまり、ゴーヤのビタミンCが熱で破壊されにくいとは調理法の違いや野菜の形状によるものと思われます。※ちなみに・・一応ビタミンCを守る物質としてビタミンP(ヘスペリジン)があります。ですが、これはゴーヤには含まれていません。ミカンの皮やシークヮーサー、ピーマン、パプリカなどに含まれています。

もちろん、水に溶けだすことによる流出はあるので、ビタミンCを効率的に取りたい場合、苦みを取るために水にさらすのはあまり長時間行わない方が良いということになります。

ただし、水に溶けだしてもそれをすべて摂取してしまえば問題ないため、やはりスムージーはおすすめの食べ方と言えます。koppariでは苦手な方用のゴーヤ入りスムージーも販売しています!

 

2-4.希少成分「共役リノール酸」は種で取れる!

共役リノール酸は多価不飽和脂肪酸の一つで、リノール酸とは別物です。リノール酸は体内で合成できない必須脂肪酸の一つであり、植物性の油に含まれています。

一方、共役リノール酸は乳製品や牛肉、卵などに含まれています。その中で、ゴーヤの種にも含まれていることが分かりました。同じ種だとひまわりの種にも含まれているようですね。

共役リノール酸には様々な作用があり、中でも脂肪を分解・消費したり、筋肉を増加させたりとダイエット効果があるのも嬉しいところです。食品を取るだけで脂肪燃焼効果があるのは驚きですね。

更には抗酸化作用もあるため、LDL(悪玉)コレステロールを低下させ、血流を改善するため動脈硬化予防冷えの改善といった効果も得られます。もちろん、アンチエイジング効果もあります。

ただし、この共役リノール酸はどの食品にもごくわずかしか含まれておらず、食事のみで十分な効果を得ようとするのは非常に難しいです。

しかしわずかとはいえ含まれているのは間違いなく、ゴーヤと一緒に食べることの多い肉や卵、オリーブオイルにも含まれているため諦めてしまうのはもったいないです。

共役リノール酸はゴーヤのに含まれています。先ほどお伝えしたビタミンCなどはワタの部分にも多く含まれているため、取り除かれることの多い種やワタも一緒に調理するとより効率よく栄養が摂取できます。

ゴーヤチャンプルーなど炒め物にする場合、ワタはそのまま入れても縮むためほぼ違和感も食感もなく食べることができます。ちなみに苦いと思われているようですがワタは苦くありません。ワタと種を分離するのが面倒であれば、実から取り外したワタと種だけを別で炒めてもちょっとした一品になりますよ。

種はそこまで硬くないですが、やはりガリっとしますのでそのまま入れてしまうと邪魔になるかもしれません。できれば別で炒ったりするとカリカリとしてスナック感覚で食べられるのでお勧めです。家庭料理などでは気にせず種もワタもまとめて入れてしまってもいいかもしれませんね。

完熟したものを食べる場合、種は周りの赤いゼリー状の部分を味わったら中身の種は取り出して下さい。甘くておいしいゼリー部分にも共役リノール酸は含まれています。中身の種は固いままなのでそのままだと食べにくいと思います。やはり炒って塩などをかけるといいおつまみになります。素揚げにしてもいいかもしれませんね。

 

まとめ

どうでしょう。少しボリュームが多くなってしまいましたが、強い苦みや赤い種、独特の見た目など他の野菜と違う点が多いゴーヤ。健康長寿の源と言われるほど栄養価は高いです。

簡単に内容をまとめます。

・強い苦みの成分が健康長寿の源である

・食欲増進、骨を強くし健康で長生きをサポート

・種もワタも食べるのがおすすめ

 

最後に、一つ面白い記事を紹介して終わろうと思います。最近、沖縄県那覇市で生み出されたパールゴーヤという白く丸いゴーヤです。非常にインパクトのある見た目をしていますね。

 

ありがとうございました。皆さんもゴーヤを食べて健康寿命を延ばし、楽しく毎日を過ごしましょう!