野菜解説

万能食材、タマネギの栄養評価は? 野菜別解説-タマネギ編

ハイサイ!前回はナスについてお話ししました。

今回はタマネギ編!一年中食べられ、ありとあらゆる料理に使われている万能食材ともいえるタマネギ。その魅力や栄養についてお伝えします!

要点まとめ

・葉タマネギ、新タマネギ、紫タマネギ・・種類が豊富で生で食べても煮ても焼いても美味しい
・食欲増進、血流改善、疲労回復!
・ダイエットにもおすすめ!

 

タマネギってどんな野菜?改めて見てみよう

タマネギはキジカクシ目ヒガンバナ科、ネギ属に属する野菜です。和名はタマネギ(玉葱)、英名はonionです。

植わっているタマネギはこんな感じです。ネギ属だけあって、上の葉っぱはネギに似ていますね。実際、葉タマネギというのもあり、葉の部分を青ネギの代用として食べられるものもあります。

このように早取りしたものですね。ごく早い時期に収穫したもので、もちろん球根(鱗茎)の部分も食べられます。

葉タマネギ以外にも種類が多く、小粒のものや、紫色のものなどいろいろな品種が栽培されています。

国内生産量のトップは北海道で、5割ほどが生産されています。以下、佐賀県、兵庫県(淡路島)と続きます。石垣島でも作られており、まさに日本全土で作ることのできる野菜の一つです。

旬は晩秋~冬(10-12月)で、新タマネギは春(4,5月)と言われています。

新タマネギとは春に収穫したものをすぐに出荷したもので、通常のタマネギに比べて水分量が多く甘めですが、保存がききにくいという特徴があります。

通常の茶色のタマネギは収穫後に一月ほど乾燥させてから出荷されており、実が締まって水分量は少なめで、辛みがあるが保存が可能という特徴があります。

通常のタマネギ(切っていないもの)はかなり保存のきく野菜であり、家庭でも湿気のこもらない場所においておけば常温で数か月は置いておけます。

切った後のタマネギは数日で悪くなってしまうため、ラップに包み冷蔵庫に入れましょう。新タマネギも傷みやすいため、新聞紙で包んだ後にポリ袋に入れて冷蔵庫に入れ、なるべく早く食べましょう。

味は辛みがあり、特有の刺激的な匂いがします。加熱すると甘みが出てきて、柔らかく食べやすくなります。

カレー、肉じゃが、サラダ、スープ、ソースの材料など幅広く利用されている野菜です。

通常のタマネギは辛みが強いため生食はあまり向いておらず、加熱して甘みを引き出す方法を取られることが多いです。

逆に、新タマネギは加熱すると水っぽくなってしまうためシャキシャキとした食感を生かしてサラダや軽く炒めるにとどめる方が美味しく食べられます。

 

万能食材タマネギの栄養とは!

では、タマネギの栄養について見てみましょう。

タマネギの栄養(抜粋)

・炭水化物(8.8g)
・食物繊維(1.6g)
・ビタミンB1(0.03mg)
ビタミンB6(0.16mg)
ビタミンC(8mg)
・マンガン(0.15mg)
アリシン
・ケルセチン
※()内は100g中の含有量を記載

このようなところです。含有量が特に多いものを太字にしています。

では、それぞれの栄養素の効能についてまとめます。

炭水化物 エネルギー補給、エネルギーの貯蔵、集中力維持
食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
ビタミンB6 脂質の代謝、酵素の働きを助ける、免疫の維持、貧血予防
ビタミンC 抗酸化作用、肌荒れ予防・改善、感染症予防
マンガン 骨の形成を促進、糖や脂質の代謝を助ける、神経・生殖機能の正常化
アリシン 食欲増進血液サラサラ、冷え性改善、抗酸化作用
ケルセチン 抗酸化作用、美肌効果、血圧降下、脂肪分解生活習慣病予防

概ねこのような効果があります。もう少し分かりやすく解説します。

 

2-1.食欲増進、血液サラサラ、疲労回復!

タマネギのあの辛味や香りはアリシンという硫化アリルの一種によるものです。

そのアリシンには抗酸化作用の他、胃液の分泌を促進し、食欲を増進させてくれる効果があります。

また、血液をサラサラにする効果もあり、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。これにより全身の血流が良くなり、冷え性の予防・改善や動脈硬化予防になります。

更に、アリシンはビタミンB1の吸収を良くする効果があります。アリシン自体にも疲労回復効果がありますが、ビタミンB1との相乗効果によってより効果が高まります。

ビタミンB1は大豆豚肉といった食品に多いため、それらと合わせると効果的ですね。

しかし、アリシンは水に溶けやすく、熱に弱いという特性があります。タマネギはよく辛み抜きで水にさらすことがありますが、効率よくアリシンを取りたい場合は水にさらさず、また生で食べるのが好ましいと言えます。

とはいえすべてのアリシンが破壊されるわけではなく、加熱して美味しくなるのもタマネギのいいところなのでそこまで神経質になることはありません。

目が痛くなるのを防ぐ方法

タマネギを切ると目に染みるのもこのアリシンによるものですが、これは揮発したアリシンが目や鼻の粘膜にある水分に溶け込むことによっておきます。

なので、切るのがつらい時は

・眼鏡やゴーグルをつける

・揮発を抑えるために冷蔵庫で冷やしてから切る

レンジで加熱してから切る

といった対策を行えば、染みにくくなります。

 

2-2.適度に糖質を含み、ダイエットにお勧め!

タマネギは野菜の中では炭水化物が多めです。

昨今、ダイエット・ボディメイクの考え方が広く浸透し、何かと敵視されやすい炭水化物ですが、三大栄養素の一つであり、体にとって必須なのは間違いありません。

炭水化物とは糖質と食物繊維を合わせた呼び名です。糖質はエネルギーになり、食物繊維は吸収されずに腸までたどり着き、善玉菌の餌になったり、便秘の解消に寄与します。

ダイエット時に問題視されるのは糖質の部分ですが、ダイエットをするときも糖質を完全に抜くことは推奨されません。

脳はブドウ糖しか栄養として使うことができず、不足するとイライラ・集中力が切れる・注意散漫になるといった悪影響が出ます。

そもそも、ダイエットとは「痩せること」ではなく、「体を健康な状態にすること」です。

もちろん、痩せることと捉えられることが多く、それも間違いではないのですが健康的に痩せるに越したことはありません。

なので、ダイエットやボディメイク時に糖質を制限する際、必要最低限の糖質としてタマネギを食べることは推奨できます。

当然タマネギのみで良いということではありません。ですが、本当に細かく食事量を調整するでもない限り、例えば夕食をタマネギサラダやソテーに置き換えるだけでも効果は出るはずです。

野菜の中では食べ応えがあり、料理のレパートリーが多いこともダイエット向きと言えますね。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回の内容をまとめると

・種類も豊富、食べ方も豊富な万能食材

・食欲増進に血液サラサラ、疲労回復効果もあり

・食べ応えがあり、ダイエットにも向いている

こんなところでしょうか。

タマネギの魅力は生でも煮ても焼いても美味しく食べられる汎用性の高さだと思います。

皆さんもタマネギを食べて元気に健康で過ごしていきましょう!