野菜解説

和風ハーブ、大葉の栄養はすごい! 野菜別解説-大葉編

ハイサイ!前回はショウガについてお話ししました。今回は大葉編!和風ハーブの代表格な大葉ですが、かなりの栄養を備えたスーパーフードです。

香り高いだけじゃない、大葉の魅力をお伝えします!

要点まとめ


・大葉は種まで食べたい
・アレルギー体質の改善に効果あり
・ストレス解消、疲労回復にも!スーパーハーブの底力

 

大葉の基礎 どんな植物?

大葉はシソ目シソ科、シソ属に属する植物です。和名はシソ(紫蘇)、英名はperillaもしくはred shisoです。

大葉というのは青じその呼び名で、青じそも赤じそも広く紫蘇とまとめられています。

ハーブというのは言ってしまえば雑草と似たような括りのため、紫蘇は適当に植えておいても増やしやすい部類の植物です。次の年になったら倍以上に増えていた・・ということも起こりうるため、自分で栽培してみようと思う方はプランターなどで管理しつつ育てたほうがいいかもしれません。

和風ハーブの代表格とも言われる大葉は非常に香りがよく、刺身のツマや天ぷらなどでよく見かけますね。肉類との相性も良く、鶏肉の大葉巻きやハンバーグに混ぜ込んであるものなども見られます。

赤しそは梅干しの色付けや、ゆかりとしてふりかけになっていたり、紫蘇ジュースなどにも利用されています。

葉っぱの部分だけでなく、穂を摘んだものや、シソの実、若芽(スプラウト)なども食用にされています。

特に実の部分は栄養を含んでいるので、次項で詳しく解説します。

 

ちなみに・・・同じシソ科シソ属の植物としてエゴマがあります。えごま油などで聞いたことがある方も多いでしょう。エゴマの葉っぱはこれです。

どうですか?見分けがつくでしょうか。一応、葉っぱの縁が大葉はギザギザしているがエゴマは丸みを帯びているのが特徴のようです。また大きさも大葉より大きくなり、色も濃くなるようですね。

この見た目で味は全く紫蘇のような香りはせず、苦みがあるようです。エゴマはもっぱら種が利用されます。紫蘇の変種なので似ているのは当然なのですが、面白いですね。

 

大葉の栄養はすごかった!

では、大葉の主な栄養素について見ていきましょう。

大葉の栄養素(抜粋)

βカロテン(11000μg)
・ビタミンB1(0.13mg)
・ビタミンC(26mg)
ビタミンK(690μg)
・カルシウム(230mg)
・鉄(1.7mg)
ロスマリン酸
αリノレン酸
ぺリルアルデヒド
※()内は100g中の含有量を記載

表が長くなりすぎるためだいぶ割愛しましたが、この他にもビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(B5)、ビタミンB6、葉酸(B9)、ビタミンE、マグネシウム、カリウム、リン、亜鉛、銅などなど・・とにかくその辺の野菜顔負けの量のビタミン・ミネラル類が豊富に含まれています。もちろん、基本的に薬味として食べるので野菜と比べて量を取る植物ではありませんが、それでも少量で効率よく栄養が取れるのは間違いありません。

では、これらの栄養素の効能について簡単にまとめます。

βカロテン 目の健康維持、生活習慣病予防、美肌効果、免疫力向上
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
ビタミンC 抗酸化作用、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンK 出血を止める、骨の健康を保つ
カルシウム 骨や歯を作る、気持ちを安定させる、免疫力を高める
疲労改善、貧血予防
ロスマリン酸 アレルギーの軽減(花粉症、アトピーなど)
αリノレン酸 アレルギー体質の改善、LDL(悪玉)コレステロール低下、血液サラサラ
ぺリルアルデヒド 食欲増進抗菌作用(食中毒予防)

このような効果が期待できます。それでは、更に詳しく見ていきましょう。

 

2-1.大葉にはアレルギー症状を軽減する効果が!

大葉に含まれるロスマリン酸、αリノレン酸にはアレルギー症状を軽減したり、アレルギー体質を改善する効果があります。

花粉症やアトピーの改善が期待できます。

αリノレン酸は種子に多く含まれているため、紫蘇の実も食べるとより効果が期待できます。

 

2-2.食欲増進、疲労回復に貧血予防も!

大葉のあの爽やかな香りの成分がぺリルアルデヒドです。ポリフェノールの一種であるこの成分には、胃酸の分泌を促し食欲を増進させる効果があります。

また、抗菌作用もあり食中毒予防の効果もあります。

同じく含まれるビタミンB1には疲労を回復させる効果があります。

疲労を回復させるだけでなく、免疫力を高める効果もあります。βカロテンはビタミンCと相乗効果を引き起こし、風邪をひきにくい、丈夫な体を作ってくれます。

βカロテンは脂溶性ビタミンのため、肉類と取ることの多かったり炒め物に添えられたりもする大葉はその点でも相性がいいですね。

もう一つ、骨や歯を丈夫にする効果も期待できます。カルシウムが多く含まれているのはもちろん、カルシウムと共に骨や歯の材料になるマグネシウムや亜鉛も豊富に含まれているためです。

さらに、鉄や鉄の吸収を助けるビタミンCも含まれており、貧血予防の効果も期待できます。

食欲増進効果によってたくさん栄養を取れるようになり、その栄養を正しく代謝しエネルギーに変換、丈夫な疲れにくい体を作ってくれるというわけですね。

大葉には全体的に体を元気にしてくれる効果があります。

 

2-3.ストレス解消にも効果あり

人間はストレスを感じると、そのストレスに抗うため副腎からアドレナリンという抗ストレス物質を分泌します。この時に消費されるのがビタミンCで、常日頃からストレスを感じている人は、大量のビタミンCを消費します。

大葉にはビタミンCに加え、気持ちを安定させるカルシウムも含まれているため、ストレスを軽減する効果があるといえます。

また、こちらについては科学的な根拠はありませんが、あの爽やかな香りを嗅ぐだけでもアロマテラピー効果があるように感じます。

 

2-4.血液サラサラ、脳卒中や認知症予防に!

先ほど種子に多く含まれると説明しました、αリノレン酸は体内でEPAという物質に代わり、LDL(悪玉)コレステロールを減らしてくれます。

DHAと共に有名な不飽和脂肪酸の一つですね。脳の活性化をすると言われ、脳卒中の他に認知症予防にも効果があるとされています。

もちろん血液をサラサラにしてくれるため、動脈硬化などの生活習慣病予防にもなります。

こちらが紫蘇の種です。非常に小さく、パリパリとした食感です。

 

まとめ

今回は大葉について解説しました。どうでしょうか。今までただの付け合わせだと思っていたものが、思わぬ栄養価を持っていたことを知っていただけましたか?

今回の内容を簡単にまとめると

・青じそ=大葉

・アレルギー改善にも効果あり

・疲労回復、リラックス効果など幅広い効能

このようになります。

皆さんも積極的に大葉を食べて、健康な生活を送りましょう!