果物解説

果物の女王、マンゴスチンの味や栄養を解説 果物別解説-マンゴスチン編

ハイサイ!前回は果物の王様、ドリアンを紹介しました。

今回はマンゴスチン編!果物の女王と呼ばれるマンゴスチンの味や栄養を解説します!

要点まとめ

・甘酸っぱくクセの少ない、万人受けするとても美味しい南国フルーツ
・日本では栽培できず、主にタイ産。6-7月の旬の時期は生のものも手に入りやすい
・アンチエイジングに病気予防と高い健康効果もあり

 

圧倒的美味しさ!「果物の女王」マンゴスチンはこういう果物【旬、味、食べ方】

マンゴスチンはキントラノオ目フクギ科、フクギ属に属する果物です。和名はマンゴスチン、英名はmangosteenです。マンゴー(mango)と同じ綴りが入っていますが、特に関連はありません。

フルパラさんより

ドリアンと同じ純熱帯性果樹で、インドや中国、タイで作られており日本での栽培は困難です。日本へ輸入されているものはタイ産が多いですね。

石垣島でも生産は試みられているようですが、安定して結実させるのにはまだ成功していません。

ドリアンは味もありますがその見た目や大きさ、栄養素の豊富さといったところから「果物の王様」と呼ばれていますが、マンゴスチンはその純粋な美味しさで「果物の女王」と呼ばれています。

また、マンゴー(パイナップルと言われる場合も)、チェリモヤと並んで世界三大美果と呼ばれることもあります。

そんなマンゴスチンの旬は6-7月頃で、この時期は生のマンゴスチンが手に入りやすくなります。

茶色い果皮の中にライチのような半透明の白い実が入っており、中心には種があります。みかんの房のような珍しい形をしていますね。

外皮は固そうに見えますが、食べ頃のものは指で押しただけで簡単に割れるくらい柔らかいです。

熟れると柔らかくなる果物が多い中、マンゴスチンは徐々に固くなっていくため押しても割れないものは熟しすぎている可能性があります。

また、乾燥に強そうな見た目をしていますが傷みやすい果物であり、購入後は早めに食べるのをお勧めします。

保存する場合は低温で高湿度の場所であれば数週間は持つそうです。冷蔵庫内だと乾燥してしまうため、濡れたキッチンペーパーに包んで更にビニールで覆うなどの工夫が必要です。

味はとても美味で、ライチに似ていますがライチほどクセはありません。とても甘みと酸味のバランスが良く、しっかり甘くて程よい酸味、南国フルーツ風の風味はあるが嫌なクセはないと、まさに食べやすくしっかり美味しいフルーツです。

食感は口の中で溶けていくほど柔らかく、プルプルしているライチとの違いはそこにもあります。

ドリアンもハマる人はドハマりするほど美味しいと言われますが、どうしても強烈な匂いがあるため人を選びます。その点マンゴスチンは万人受けする味と言えます。

食べ方としてはフレッシュなものを生で食べるのが一番おいしく味わえますが、スムージーやゼリー、缶詰などに加工されているものもあります。

日本に届くものは冷凍されているものもあり、半解凍でもシャーベットのようで美味しく食べられます。

ちなみに紫色をした外皮の部分は食用にはなりませんが、粉末状にして下痢や皮膚病の薬として使われることもあるようです。

 

女王の栄養はこちら!【抗酸化作用、免疫力を高め、がん予防も】

それではマンゴスチンの栄養素を抜粋して紹介します。

マンゴスチンの栄養素(抜粋)

・熱量(67kcal)
・食物繊維(1.4g)
ビタミンB1(0.11mg)
・ビタミンB2(0.03mg)
パントテン酸(0.33mg)
・ビタミンE(0.7mg)
・カリウム(100mg)
マンガン(0.35mg)
・タンニン
・アントシアニン
キサントン
※()内は100g中の含有量を記載

このような栄養が含まれています。ビタミンB1やパントテン酸、マンガンの他は突出して多い栄養素はありません。多くの栄養が高い水準で含まれていたドリアンとは違います。

とはいえ、非常に抗酸化作用の強いキサントンなどの特有の成分も含まれているため、決して健康効果が低いというわけではありません。

それぞれの栄養素の効能を簡単にまとめます。

食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
ビタミンB2 脂質の代謝、成長促進、老化予防
パントテン酸 LDL(悪玉)コレステロール低下、リラックス効果、免疫力を高める
ビタミンE ホルモンバランスを整える、肩こり・生理痛・冷え性改善
カリウム 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
マンガン 骨の形成を促進、糖や脂質の代謝を助ける、神経・生殖機能の正常化
タンニン 肌を引き締める、下痢の改善、生活習慣病予防、美白作用
アントシアニン 視覚機能の改善、眼病予防、花粉症予防、メタボ予防
キサントン 抗酸化作用、アンチエイジング、免疫力を高める、がん予防

このような効果があります。注目すべき内容をもう少し詳しく解説します。

 

2-1.非常に高い抗酸化作用によって老化を防ぎ、病気を予防

マンゴスチンにはポリフェノールが豊富に含まれています。

タンニンやアントシアニン、キサントンという成分はすべてポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があります。

抗酸化作用とは活性酸素による体の酸化を防いでくれる効果を持つものです。

酸化とはつまり錆で、体も鉄と同じように徐々に錆びていきます。肌であればシワができ、血管であれば弾力がなくなり内臓も劣化していきます。

そういった変化を総合して老化と呼びますが、ポリフェノールは老化に深く関わっている活性酸素を除去してくれるためアンチエイジング効果が期待できるというわけです。

また、老化は活性酸素のみが原因ではありません。細胞の寿命によって引き起こされる自然な老化もありますが、上記の活性酸素によるものや糖化と呼ばれるものはある程度防ぐことができます。

糖化とは糖とたんぱく質が反応して、AGEs(Advanced Glycation Endproducts:最終糖化産物)と呼ばれるものを体内に作り出すことを言います。

簡単に言うとお肉を焼いて色が変わる反応ですね。メイラード反応と言い、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

要するに体内でそのような反応が起こり、体を構成するたんぱく質が変質してしまうということですね。

当然肌や髪、血管や内臓といったたんぱく質が変質してしまうので体にとって良いことではありません。

コラーゲンもたんぱく質なので、これも変質してしまい、目に見えるところではシワやたるみとなって現れます。老化の一種ですね。

このような酸化や糖化に対して、マンゴスチンに含まれるキサントンなどは抗酸化、抗糖化作用を示して老化を防いでくれます。

この作用は老化を防ぐだけではなく、活性酸素やAGEsよって引き起こされるさまざまな生活習慣病を予防する効果もあります。

例えば血管の老化によっておこる動脈硬化や、糖分の取りすぎによっておこる糖尿病の予防などです。

その他、炎症を抑制する、結核予防白血病予防潰瘍予防など様々な効果が報告されています。

美容と健康に良い、まさに果物の女王と呼ばれるにふさわしいフルーツですね。

 

2-2.免疫力を高め、がん予防効果まで

キサントンにはNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる作用もあります。

NK細胞は外から入ってきた細菌やウイルスを攻撃して体を守ってくれている細胞で、つまりは免疫力の向上が期待できます。

ビタミンCは白血球や好中球を活性化し、また自身も病原菌を攻撃しますが、キサントンは別の細胞を強化してくれるというわけですね。

細かく言うと好中球は主に細菌を、NK細胞はウィルスに侵された細胞を攻撃するため、両方を摂るとより効果があります。

先ほど活性酸素を除去して老化を予防するという話をしましたが、活性酸素はがんの原因にもなっています。

がんとはつまり細胞分裂時のエラーで異常な細胞が増えてしまうというものです。

活性酸素は遺伝子を傷つけ、このエラーを引き起こしてしまいます。そのため、活性酸素を除去するキサントンにはがん抑制作用があると言えます。

また、直接がん細胞を攻撃して減らす効果もあるとされ、大腸がんを抑制するという報告があります。

マンゴスチンは日々の風邪予防から、がん予防までこなしてくれる健康に良いフルーツと言えます。

 

【まとめ】果物の女王マンゴスチンはとても美味で、健康効果も高いフルーツだった

今回はマンゴスチンを紹介しました。

とても美味しく、美容効果も高いまさに「果物の女王」と呼ばれるにふさわしいフルーツですね。

最後に簡単に内容をまとめます。

・フレッシュなマンゴスチンは甘酸っぱくクセの少ない、万人受けする美味しさ

・抗酸化、抗糖化作用によって高いアンチエイジング効果、美容効果がある

・生活習慣病やがん予防など、病気を予防する効果も高い

以上です。皆さんも一度、旬の時期に生のマンゴスチンを食べてみてください。とても美味しく、ハマることうけあいです。