果物解説

果物の王様、ドリアンの栄養を解説! 果物別解説-ドリアン編

ハイサイ!前回は上品な甘さの果物、ビワを紹介しました。

今回はドリアン編!果物の王様とも言われる熱帯フルーツですが、その栄養や健康効果を解説します!

ちなみにサムネイルの画像はカンボジアのカンポットという観光地に置かれているモニュメントです。

要点まとめ

・トゲトゲ、匂い、味とどれもインパクトの強いフルーツ
・とても豊富な栄養素を含んでおり、健康効果は高い
・疲労回復や生活習慣病予防、アンチエイジングなどなんでもござれ

 

「果物の王様」ドリアンはこんなフルーツ【強烈な匂い、やみつきになる味】

ドリアンはアオイ目アオイ科、ドリアン属に属する果物です。和名はドリアン、英名はdurianです。

ドリアンは純熱帯性果樹と言われる、熱帯地域にしか生息しない植物であり、栽培が非常に困難です。沖縄県などの亜熱帯地域では花を咲かせた記録はありますが、実を結んだことはありません。

そのため日本ではまだ栽培に成功しておらず、国内で見られるドリアンはすべて輸入されたものですね。

タイやフィリピン、カンボジアといった東南アジアで主に作られており、日本に輸入されてくるのは主にタイ産のドリアンです。

旬は5-7月で、輸入は通年行われていますが日本国内ではこの時期によく見かけます。

トゲトゲした独特の見た目が印象的ですね。木に生っている光景は上の画像の通りですが、実は非常に硬く、熟すとそのまま落下してくるため大変危険です。

東南アジア地域に行き、ドリアンが生えているあたりに行く際には頭上に注意したほうがよさそうです。

味はとにかく濃厚で、甘みの中に南国系の風味を感じます。バナナとカスタードクリームとアボカドを混ぜたような感じ・・でしょうか。品種によっては甘みの強いもの、苦みのあるものなど様々な味があり、人によって表現も豊富です。

とにもかくにも好みの分かれる果物で、借金してでも食べたいというほどハマる人もいるようです。カンボジアではドリアンパーティーというひたすらにドリアンを食べるパーティーが開かれることもあるようですね。

ドリアンの可食部は固いトゲトゲの皮を割った中に入っている、種の周りを包んでいる種衣という部分です。品種によって黄色や灰色っぽいものがあります。

 

強烈な匂い!持ち込み禁止の場所もあるドリアンの香り【悪魔の果実】

TRIP’Sさんより

ドリアンは「果物の王様」と呼ばれる一方、「悪魔の果実」と呼ばれることもあります。

刺々しい見た目もあるでしょうが、やはり一番の理由はその強烈な匂いのためです。

これも人によって感想は異なりますが、「玉ねぎが腐った匂い」「下水」「生ごみ」と散々な意見が聞かれることが多いです。

一方で、ドリアンにハマった人には美味しそうな匂いに感じられるらしいので不思議なものです。

どちらにせよとても強い匂いを発しており、飛行機内や電車内、ご当地のホテルであっても室内持ち込み禁止となっている場所も多いです。

そのため市場や公園のベンチなど、食べられるところが限られるほどです。

とはいえ、これは完熟を過ぎたくらいの大分熟れたドリアンが発するものであり、追熟(収穫後にしばらく置いておいて熟成させること)前のドリアンにはそれほど強烈な匂いはありません。

また、実を食べる際にも匂いはありますが、皮を開けたときの匂いと比べると少し和らぎます。ですが、口の中に入れるので青物が腐ったようなにおいはどうしても感じてしまいます。

ところが、一度目はその匂いに面食らって二度と食べるか!と思っても、二度目に心構えがある状態で食べてみると濃厚な味を感じる余裕が生まれ、三度目には好きになっている、と言われるのでやはり魅力のある果物なのでしょう。

食べ方は主に生で食べられますが、ドリアンアイスやドリアンチップスといった形で売られているものもあり、それらは独特の匂いが抑えられているため初めての人でも美味しく食べられます。

 

「果物の王様」ドリアンに含まれている栄養はこちら

それではドリアンに含まれている栄養素を抜粋して紹介します。

ドリアンの栄養素(抜粋)

・熱量(133kcal)
・食物繊維(2.1g)
・炭水化物(27.1g)
・脂質(3.3g)
・たんぱく質(2.3g)
ビタミンB1(0.33mg)
ビタミンB2(0.20mg)
・ナイアシン(1.4mg)
・葉酸(150μg)
・ビタミンC(31mg)
・ビタミンE(2.3mg)
カリウム(510mg)
・マグネシウム(27mg)
・リン(36mg)
※()内は100g中の含有量を記載

さすがは果物の王様、全体的に栄養価が高いです。今まで突出して多く含まれている栄養はないが、全体的にまんべんなく栄養があるといった果物はありました。

ですがドリアンはすべての栄養が高いレベルでまとまっていて、王様と言われてもおかしくない貫録を感じます。

では、これらの栄養素の効能を簡単にまとめます。

食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
炭水化物 体内でのエネルギー、脳の唯一の栄養
脂質 エネルギー源、脂溶性ビタミンの吸収を助ける、肌荒れ・便秘の予防
たんぱく質 筋肉、皮膚、髪の毛など体を構成
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
ビタミンB2 脂質の代謝、成長促進、老化予防
ナイアシン 酵素の働きを助ける、血流を改善する、冷え性予防
葉酸 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防
ビタミンC 抗酸化作用、ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンE ホルモンバランスを整える、血行改善、肩こり・生理痛・冷え性改善
カリウム 高血圧予防むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
マグネシウム カルシウムの補助、不整脈予防、体温・血圧の調整、血糖値の調節
リン 骨や歯を丈夫にする、生理機能の維持、エネルギーを蓄える

概ねこのような効果があります。栄養が豊富で紹介したいものがとても多くなり、見づらいので特に注目したいものを以下で詳しく解説します。

 

3-1.豊富な三大栄養素を含み、栄養補給には最適

ドリアンは炭水化物、脂質、たんぱく質という三大栄養素を豊富に含んでいます。

これはフルーツの中では珍しく、パラミツアボカドといった果物に似た傾向ですね。

例えばパラミツは“プロジェクトジャックフルーツ”というパラミツの豊富な栄養を使って飢餓を救うといったプロジェクトが立ち上がる程、栄養素に富んでいます。

現代において、炭水化物や脂質というとダイエットに良くない敵と認識されていることも多いですが、体にはどれも必須の栄養素です。

例えば炭水化物(糖質+食物繊維のこと)に含まれている糖質は、体を動かすエネルギー源であり、特に脳ではブドウ糖が唯一の栄養素です。

これが不足するとイライラし、集中力が低下します。

脂質は9kcal/1gと高エネルギーで、炭水化物やたんぱく質(4kcal/1g)と比べエネルギー効率が高いです。

脂溶性のビタミン(A,D,E,K)を効率よく吸収するのにも脂質は必要です。

たんぱく質は言わずもがな、筋肉、肌、髪、爪など身体を作るのに必要不可欠な栄養素です。

このように体にとって必須な三大栄養素を多く含んでいるドリアンはまさに果物の王様と呼ばれるにふさわしいフルーツと言えます。

当然、取りすぎると肥満の原因になるため良くありませんが、ドリアンはそもそも大量に食べられるものではないためドリアンの食べ過ぎで太るということはまずないと思われます。

ドリアンはダイエットに向いているか

もちろん果物の中ではかなりの高カロリーなので、ダイエット向きとは言えません。

ですがご飯は100g当たり168kcalで、ドリアンは133kcalです。

ご飯はそのほとんどが炭水化物なのに比べ、ドリアンはビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。

そう考えるとご飯の代わりにドリアンとサラダなどという置き換えは悪くなさそうです。

コストや食味といった問題から現実的ではなさそうですが、ダイエット時に不足しがちな栄養素をバランスよく摂取できるという見方をすれば一概に不向きとも言えません。

当ブログでは何度も言っていますが、ダイエットは「痩せること」ではなく、「体を健康な状態にすること」です。

制限をしすぎて無理なダイエットは体を壊すだけです。必要な栄養素をきちんと取り、健康的に痩せましょう。

Feliceさんより

 

3-2.果物トップクラスのビタミンB群!疲労回復や身体づくりにも

ドリアンには非常に多いビタミンB群が含まれています。

ビタミンB群とはビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、葉酸(B9)、ビオチン(B7)の8種類です。

抜粋の都合上、上の表では省いていますが、ドリアンにはこのビタミンB群の全てが含まれています。

ビタミンB群は水溶性のビタミンで、エネルギー代謝を円滑にする働きがあります。

上記の三大栄養素はそのままでは体の中で有効活用できず、人間の身体が使える形に変換(代謝)する必要があります。

それを助けてくれるのがビタミンB群で、栄養を効率的に吸収するために必要なものというわけです。

例えばビタミンB1は糖質の代謝に関わり、糖質をエネルギーに変換するのを助けてくれます。

糖質が不足するということはエネルギー不足であり、つまりは疲労の原因になるため、ビタミンB1は疲労予防や回復に効果があると言えます。

ビタミンB2は脂質の代謝に関わります。

脂肪をエネルギーに変換する手助けをしてくれるため、まさにダイエット中に取りたい栄養素と言えます。

他に、たんぱく質の合成にも関わっているため、爪や髪、皮膚や粘膜といった体の部位を健康に保つ作用もあります。

ナイアシンも同じようにエネルギー代謝に関わり、ビタミンB1やビタミンB6と相乗効果を発揮しより効果を高めます。

葉酸神経の発達を促進し、貧血予防の効果もあるため妊娠中の方や成長期の子供が積極的に取りたい栄養です。

このようにビタミンB群だけとってみてもとても多くの有用な効果があります。これらのすべてを豊富に含んでいるドリアンはやはりすごいフルーツですね。

 

3-3.その他、アンチエイジングや高血圧予防など健康に良い効果がたくさん!

ドリアンに含まれているのは三大栄養素やビタミンB群だけではありません。

カリウムは体内の水分・塩分量を調整し、高血圧予防むくみ予防に効果的です。

リンやマグネシウムはカルシウムと共に骨や歯を作り丈夫な体を作るサポートをしてくれます。

ビタミンCやEには強い抗酸化作用があり、体を老化から守るアンチエイジング効果が期待できます。

抗酸化作用は活性酸素を除去し、様々な生活習慣病予防効果があることも知られています。

ドリアンには本当に多くの栄養素が含まれているため、他にも良い効果がたくさんありますが、とりあえずはこんなところです。

まとめるとドリアンは生きていくうえで必須な栄養多くを含み、美容効果や病気予防など、健康で元気な体を作る手助けをしてくれるスーパーフルーツと言えます。

Daily Portalさんより

 

3-4.アルコールとの食べ合わせが悪い?

ひとつ、ドリアンに対する噂としてお酒と一緒に食べるとよくないというものがあります。

実際、東南アジアのドリアンが良く食べられている国では、アルコールと一緒に食べないようにしている地域もあるそうです。

これについて現代医学では明確な根拠はありません。

例えばナイアシンはアルコールによって失われやすい栄養素であるので、そういった意味ではデメリットがあります。

根拠はありませんが、死亡例があるとも言われているため、無理にリスクを取る必要ありません。

言い伝えられているということは何らかの影響はある可能性があるので、お酒の席ではドリアンを食べないように注意して下さい。

LINEトラベルjpさんより

 

【まとめ】ドリアンはまさに果物の王様というにふさわしい、豊富な栄養と健康効果を備えた果物だった

今回はドリアンを紹介しました。

豊富な栄養や健康効果があり、まさに「果物の王様」と言われるにふさわしい反面、その強烈な匂いから「悪魔の果実」と言われることもあるフルーツです。

最後に内容を簡単にまとめます。

・純熱帯性果樹で、東南アジア地域で栽培されており日本では生産困難

・強烈な匂いと濃厚な味、トゲトゲした見た目などとにかくインパクトが強い

・「果物の王様」と呼ばれるにふさわしい栄養素を含んでいる

・三大栄養素とそれをサポートするビタミンB群、その他ビタミン・ミネラルも豊富で様々な健康効果がある

・お酒との食べ合わせには注意

以上です。皆さんも国内や海外旅行時など、見かけたら一度チャレンジしてみて下さい。一度食べてみると病みつきになり、豊富な栄養で健康を後押ししてくれるかもしれません。