果物解説

みずみずしい秋の味、梨の魅力を語る 果物別解説-梨編

ハイサイ!前回はリンゴについて解説しました。

今回は梨編!秋の味覚の果物の一つですね。リンゴと似ていますが、どのような違いがあるのかについてもお話しします!

要点まとめ

・みずみずしく、甘い生でよく食べられるフルーツ
・美肌効果あり、ダイエットにも有効
・疲労回復やデトックス効果も

 

まずは知ろう!梨の基本

梨はバラ目バラ科、ナシ属に属する果物です。和名はナシ(梨)、英名はsand pearです。

木にはこのように生っています。梨狩りに行ったことのある方はイメージが付くかもしれませんが、木はそれほど高くなくても実をつけます。

また、直射日光が当たりすぎると日焼けをしてしまうのでよくカバーがかけられていますね。

秋の味覚という印象が強いかもしれませんが、旬は夏から秋にかけてです。8月ごろにはスイカなどと一緒にスーパーに並んでいるところを見かけます。

種類は幸水や豊水、二十世紀などが有名でしょうか。リンゴと同じく全国で様々な種類が作られています。

国内の生産地は千葉、茨城、栃木が上位3県です。リンゴほど寒い地域を好むわけではなく、九州地方でも栽培されています。福岡、熊本、大分などは上位10県に入ることも多いですね。

ですが残念ながら、石垣島含む沖縄では生産されていません。生えないことはないですが、甘みが薄くなってしまうようです。

味は甘みが強く、酸味は弱いです。とてもみずみずしく、シャリシャリとした食感も楽しいですね。

中にはガリっというほど実が締まって硬いものもありますが、これは後から説明するペントザンという成分によるものです。

リンゴ比べると加工されることは少なく、多くは生食されています。とはいえ、アイスやジュース、ゼリーなどはよく見ますし、コンポートがタルトに乗せられていたりと、旬の時期は様々な梨を楽しめます。

洋ナシについて

梨の種類で他によく見かけるのは洋ナシです。ひょうたん型の面白い形をしていて、和梨よりも酸味が少なくより甘みを感じます。

また、和梨と違い果肉が柔らかいのが特徴です。これはペントザンが含まれていないのが原因で、ねっとりとした食感です。

加工品も和梨に比べると豊富で、先ほど挙げたゼリーやタルト、ケーキに乗せられているのも洋ナシの方が多いですね。果実酒やブランデーも作られています。

 

梨の栄養価!独特の成分がウリ

それでは、梨の栄養素を見ていきましょう。

梨の栄養素(抜粋)

・食物繊維(0.9g)
・パントテン酸(0.14mg)
・葉酸(6μg)
・ビタミンC(3mg)
・カリウム(140mg)
・銅(0.06mg)
アスパラギン酸(140mg)
ソルビトール
・ポリフェノール
ペントザン
※()内は100g中の含有量を記載

おおよそこのような栄養素が含まれています。リンゴもそうでしたが、梨もビタミンやミネラルが特別多く含まれている果物ではありません。特有の成分で健康効果を発揮するタイプですね。

それでは、それぞれの栄養素の効果をまとめます。

食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
パントテン酸 LDL(悪玉)コレステロール低下、リラックス効果、免疫力を高める
葉酸 胎児の健全な発育、貧血、認知症予防
ビタミンC 抗酸化作用、肌荒れ予防・改善、感染症予防
カリウム むくみ予防、夏バテ予防、高血圧予防、動脈硬化予防
貧血予防、免疫力向上、骨や血管を強くする、髪や肌を健康に保つ
アスパラギン酸 疲労回復、夏バテ予防、新陳代謝を活発にする
ソルビトール 整腸作用、低カロリー、咳止め、解熱効果
ポリフェノール アンチエイジング、がん予防、認知症予防、殺菌効果
ペントザン 脂肪の分解・排出、腸内環境を整える、美肌効果

このような効果があります。得られる効果についてもう少し掘り下げてみます。

 

2-1.低カロリーでダイエット向け

梨は100g当たり43kcalと果物の中でもカロリーが低い方です。ちなみにリンゴは57kcal、マンゴーは60kcalほどです。一玉食べても110kcalほどですね。

また、梨に多く含まれている糖質の一つであるソルビトールは糖の中でもカロリーが低く血糖値を上げにくいとされています。虫歯になりにくいという効果もありますね。

また整腸作用もあるため、食物繊維と合わせて腸内環境改善も期待できます。

 

2-2.美肌、アンチエイジング効果も!

梨にはポリフェノールが含まれています。タンニンなどの抗酸化作用のある成分ですね。

抗酸化作用は体のあらゆる老化(活性酸素による錆び)を防いでくれるため、例えば血管の老化を防ぐことで動脈硬化を予防したり、皮膚の老化を防ぐことでシミ・そばかすの改善になったりと体に良い効果がたくさんあります。

梨の実が硬くなる元の成分である、ペントザンにも美肌効果があります。化粧水などに含まれることも多く、高い保湿力を持っています。

また、体内の脂肪を除去し、吹き出物を予防・改善してくれます。

 

2-3.疲労回復、デトックス効果まで!

梨に含まれているアスパラギン酸はカリウムやカルシウムといったミネラルを細胞に届け、疲労物質である乳酸を分解してくれます。

これによってスタミナが付き、また疲労回復に効果があります。

カリウムも含まれているため、体内の余分な水分とナトリウムを排出してくれます。むくみを予防し、血圧を整える効果もあります。

先ほども触れたペントザンにも脂肪を分解・排出する効果があり、体の内側から綺麗になることができます。

もちろん、ポリフェノールによる抗酸化作用もあります。それぞれの栄養素が相乗効果を発揮し、梨単体でも高い美容・デトックス効果があると言えます。

ただし、先ほども述べた通りビタミンやミネラルはそれほど豊富に含まれているわけではないため、他の食事もとりつつデザートなどで梨を食べるのがおすすめです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回の内容をまとめると、

・ポリフェノールやアスパラギン酸が豊富

・ビタミン、ミネラルはそれほど

・低カロリーでダイエット向け

こんなところでしょうか。最後に軽くリンゴとの比較も載せておきます。

カロリー 効果
甘い 43kcal ダイエット向き、栄養価自体はそこまで高くない
リンゴ 甘酸っぱい 57kcal 梨と同じくビタミン・ミネラルはそこまでだが、様々な健康効果あり

リンゴは医者いらずとまで言われるほど主に健康を増進する効果があります。梨も健康をサポートする効果はありますが、どちらかというと季節の味を楽しむ、低カロリーを生かして太りにくいデザートとして食べると考えるのがおすすめです。

皆さんも季節のフルーツを食べて美味しく楽しく過ごしていきましょう!