ハイサイ!前回はビタミンACEを含み高栄養な緑黄色野菜、かぼちゃについて話しました。
今回はネギ編!万能に使える食材であり、どんな料理でも合わせられる汎用性の高い野菜です。
そんなネギの栄養や健康効果について解説します!
・旬は冬だが一年中食べられ、健康にも良い万能食材
・独特の香りと辛みで様々な料理に引っ張りだこ
・風邪予防を初め、体に優しい健康効果がいっぱい
目次
ネギはこういう野菜【旬、味、食べ方など】
ネギはキジカクシ目ヒガンバナ科、ネギ属に属する野菜です。和名はネギ(葱)、英名はwelsh onionまたはleekです。
日本での生産がかなり多い野菜で、一位の中国に次ぐ二位の生産量を誇っています。
国内では千葉県、埼玉県、茨城県がトップスリーで、関東圏で多く作られています。四位は北海道で、どちらかというと涼しい気候の地域で作られる野菜です。
沖縄でも栽培はされており、石垣島では島ネギという細い万能ねぎのようなネギが作られています。八重山そばの上に散らされているのが島ネギですね。
大雑把にネギを分けると太く、白い部分を主に食用とする根深ネギ(長ネギ、白ネギ)と、細く緑色の部分を食用にする葉ネギに分けられます。
基本的に通年流通しているネギですが、旬は11月-2月の冬の時期です。
味は辛みと甘みがあり、薬味として使われたり、料理の脇役として頻繁に登場します。食感はシャキシャキしており、メイン食材として食べられることもあります。
非常に食べられ方の幅が広く、焼きネギ、冷奴、そば、うどん、チャーハン、ラーメン、かつ丼、炒め物、鍋、納豆、すき焼きなどなど・・とにかく日常でも目にする機会がとても多い野菜ですね。
ねぎ味噌やねぎ油など、調味料としても使われることがあります。
ネギの栄養!万能食材に含まれる栄養素とは
それでは、ネギに含まれる栄養素を抜粋して紹介します。ネギは根深ネギ(淡色野菜)と葉ネギ(緑黄色野菜)でかなり栄養素が異なっています。
葉ネギの方が基本的に栄養価が高く、健康効果も高いため以下では葉ネギについての栄養を記載します。
・熱量(31kcal)
・食物繊維(2.9g)
・βカロテン(1900μg)
・葉酸(110μg)
・ビタミンC(31mg)
・カリウム(220mg)
・カルシウム(54mg)
・アリシン
※()内は100g中の含有量を記載
このような栄養が含まれています。特に含有量の多いものを抜粋し、特筆すべきものを太字にしています。
それぞれの栄養素の効能を簡単にまとめます。
食物繊維 | 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する |
---|---|
βカロテン | 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上 |
葉酸 | 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防 |
ビタミンC | 抗酸化作用、肌荒れ予防・改善、感染症予防 |
カリウム | 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防 |
カルシウム | 骨や歯を作る、気持ちを安定させる、免疫力を高める |
アリシン | ビタミンB1の吸収を高める、血行改善、血糖値を下げる、消化促進 |
ネギに含まれる栄養にはこのような効果があります。もう少し詳しく解説します。
2-1.ビタミンB1との相乗効果で疲労回復!
ネギに含まれているアリシンは硫化アリルの一種であり、あの辛味や匂いの元となっている成分です。
タマネギにも同じ成分が含まれていますね。
アリシンは体内でよい作用がたくさんあり、まずビタミンB1の吸収をサポートしてくれます。
ビタミンB1は糖質を代謝し、体の中で使えるエネルギー(ブドウ糖)を生み出すのに必要な栄養素です。
ブドウ糖は全身を動かすエネルギーであり、脳で使える唯一の栄養です。
つまり、ビタミンB1は体の中で使うエネルギーを生み出して疲労を回復し、また脳の神経機能を正常に保つというとても大切な役割を担っています。
このビタミンB1を助けるアリシンはまさに名サポーターですね。
ちなみに、今挙げた機能を正確に果たすには、糖質・ビタミンB1・アリシンが必要です。
ビタミンB1は豚肉などに多く含まれています。
すなわち、糖質(麺)、ビタミンB1(ソーキ)、アリシン(ネギ)が含まれている八重山そばは無駄のない食べ物だったわけですね。
もちろん、チャーシュー入りのチャーハンやネギ入り味噌汁が付いた豚生姜焼き定食など、これらの組み合わせを満たす食事パターンは無数にあります。
なんにしろバランスの良い食事が一番ということですね。
2-2.血流を改善し、胃の健康を保ち、生活習慣病を予防する
アリシンの働きは疲労回復だけではありません。
玉ねぎが血液をサラサラにするという話はよく聞くと思いますが、あれはアリシンによるものです。
ネギも同じように血流を改善し、それによって肩こりや冷え性の改善に効果があります。
また、アリシンは胃酸の分泌を促し、食欲増進効果や消化促進効果があり、胃腸を健康にする作用があります。
更には血糖値を下げ、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病予防の効果まであります。
ネギは栄養をたくさん摂り、体を健康にする手助けをしてくれる野菜と言えます。
ちなみに、胃酸を分泌しすぎると胃炎や胃潰瘍になるのではないかという心配をされる方もいるかもしれません。
確かに胃酸が過剰に分泌されると胃痛や胃潰瘍といった症状を引き起こしますが、あれは胃を保護する粘膜とのバランスが崩れることによっておこります。
そしてその原因はストレスであったり、睡眠不足であったり喫煙であったりと様々です。
また、揚げ物やアルコール、極端に甘いもの、辛いものなど刺激の強いものや消化に時間がかかるものが胃に長く留まることでも胃酸の過剰分泌が起こります。
結局のところ、ネギに含まれるアリシンには胃酸を過剰に分泌し、胃炎や胃潰瘍になる程の作用はありません。
そもそも、胃酸が少なければ今度は消化不良などの問題が起こってきます。
通常の健康状態であれば胃酸が増えれば粘膜も増え、きちんと保護してくれます。
もし、ストレスや睡眠不足で胃が痛くなるのであれば、胃薬を飲んで体に優しいものを食べて胃を休めて下さい。
その後にネギを含めた疲労回復・食欲増進効果のあるものを食べ、体に栄養を取り戻すべきです。
2-3.風邪の時にネギを首に巻くのは正しかった?【免疫アップ】
昔から言われている民間療法として、風邪を引いたら首にネギを巻く、というものがあります。
アリシンには強い殺菌作用と鎮静作用があり、かつ揮発性が高いので首に巻くことでも効果がある、といったことだと思われます。
もちろん実際に首に巻くよりは食べたりネギ湯を飲んだりした方が効果がありますが、あながち間違ってもいないと言えますね。
ちなみに、アリシンは揮発性が高いだけでなく水に溶けやすいので、あまり長時間水にさらしすぎると十分に摂取できなくなってしまいます。
白髪ねぎを作る際など、水にさらしたりすると思いますが、あまりにも辛いネギでなければサッと上げてしまった方がアリシンの摂取的にはおすすめです。
また、みそ汁などのように汁ごと飲めるものであれば流れ出ても問題ありませんが、今度は蒸発してしまうのでなるべく作ったらすぐに食べきるようにしましょう。
ネギにはアリシンだけではなく、ビタミンCや殺菌作用のあるネギオールという成分も含まれています。
βカロテンにも免疫力を高める作用はあるため、やはり風邪の定番であるおかゆやうどんににネギを入れるのはとても理にかなっています。
風邪を予防するだけでなく、風邪にかかってからの回復も早めてくれるネギはまさに体に優しい野菜ですね。
【まとめ】ネギは様々な料理に使え、体も元気にしてくれるまさに万能な食材だった
今回はネギについて解説しました。
多くの料理に合わせられ、また健康効果も高い、まさに万能食材といった野菜です。
それでは最後に内容を簡単にまとめます。
・冬が旬の、そば、鍋、ラーメンなど様々な料理に使われる食材
・辛みと独特の香りで薬味や付け合わせで大活躍
・疲労回復、胃の健康に良い、風邪予防など、体に優しい効果がたくさん
以上です。皆さんも積極的にネギを食べ、風邪にかからない強い体を作っていきましょう!