ハイサイ!今日は急速冷凍技術について話したいと思います。
結論から言うと、
・食品が傷まない
・長持ちする
・効率化が図れる
といったメリットを得ることができます。
読んで字のごとく、食品を素早く冷凍する技術ですが、普通の冷凍とは何が違うのか?どのようにしてメリットが生まれるのか?そのあたりを詳しく書いていこうと思います。
急速冷凍とは
急速冷凍は食品を急速に凍らせることです。どのくらい早いかというと、一口大の果物だとおよそ30分くらいでカチカチになります。もちろん、食品や厚み等によっても変わりますが、koppariが行っているものではパインやマンゴー、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツといったものは一口大で凍らせるため、約30分で-30℃まで凍結されます。
そもそも凍らせる、冷凍とは「食品などの腐敗を防ぐために凍らせること」(大辞林より)です。現代では冷蔵庫、冷凍庫などで食品を長持ちさせるのは当たり前に行われていますね。
そういった家庭でも日常的に行われている「冷凍」と「急速冷凍」は何が違うのか?速さについては先ほど述べました。もちろん早いだけではなく、様々なメリットがあります。
急速冷凍のメリットその1:食品が傷まない
冷凍したら味が落ちた…解凍したらドリップ(液体)が出てきてグズグズになってしまった…といった経験のある方は多いのではないでしょうか。なぜそのようなことが起こるのかというと、主に
①冷凍による細胞壁の破壊
②冷凍焼けと酸化
によるものです。
2-1.冷凍による細胞壁の破壊
水は氷ると体積が大きくなります。コップに氷を入れたら浮いたり、ペットボトルを凍らせるとパンパンになるといった具合ですね。それは食品の細胞でも同じであり、細胞の中の水分も凍ると大きくなります。それが細胞壁を突き破ってしまうため、解凍すると水分(ドリップ)が漏れ出てきてしまうんですね。
2-2.冷凍焼けと酸化
前項で話したように、食品を凍らせると細胞内の水分が氷になって膨張し、細胞壁を突き破って外に出てきます。冷凍庫の中でも水分の蒸発は常に起こっており、食品はどんどん乾燥していきます。
そうすると蒸発したところから空気が入り、酸化してしまいます。これが冷凍焼けです。食品はパサパサになり、変色、劣化していきます。冷凍庫に長期間保存しておいたものが、霜まみれになっている姿、見たことがある人もいるのではないでしょうか。
急速冷凍のメリットその2:長持ちする
通常の冷凍(緩慢冷凍)に対して、急速冷凍した食品は長持ちします。緩慢冷凍の食品(常温から冷凍庫に入れ、そのまま冷凍保存しているもの)は、冷凍庫の性能や扉を開ける頻度にもよりますが、半年も置いておくと冷凍焼けが目立ってきます。それに対して、急速冷凍の場合、概ね8ヶ月から24ヶ月間は最初の品質が保たれるとされています。(日本冷凍食品協会より)
最大氷結晶生成温度帯というものがあります。要は、-1℃~-5℃の時間が長いほど、生成される氷の結晶が大きくなるというものです。この温度帯を素早く通り抜けるほど生成される氷結晶が小さくなるので、品質が落ちにくくなります。急速冷凍ならば30分以内には凍結できるので、そういった点で品質が落ちにくい理由の一つになっています。
※引用:一般社団法人 日本冷凍食品協会
これが急速冷凍、緩慢冷凍の比較画像です。急速冷凍だとほぼ細胞壁が壊されていないのが分かります。
koppariでは更に空気に触れる頻度を極力減らすため、急速冷凍した後の食品を真空処理して保存しています。
急速冷凍のメリットその3:効率化が図れる
これはどちらかというと一般の方向けというより、お店を営んでいる方向けのメリットになります。前述した二つのメリット
・食品が傷まない
・長期保存が可能
というメリットにより、様々な派生した利益が生まれてきます。
・作業時間の短縮
・食品ロスの削減
・品質の向上
といったところが主に挙げられるでしょうか。普通に冷凍するより早く冷凍作業が完了し、長持ちするので今まで捨てていたロス分を一度凍結しておいて空いた時間に加工することも可能になります。品質の向上は言わずもがな、今までよりも長期間置いておいても傷みにくくなります。
その他、スタッフの負担の軽減や作業効率の向上から人手不足の解消、今までは鮮度の問題で厳しかった新たな販路の確立といったメリットも見えてきます。
もちろん、今では家庭用の急速冷凍機能が付いた冷蔵庫も出てきています。特にお店を開いてなくても、日常的に味が落ちないのは非常にありがたいので買い替えを検討されているなら冷凍機能に着目してもいいかもしれません。安売りの時に大量に買い込んだお肉、余ったお惣菜、お弁当のおかずの冷凍食品等々・・結構日常が豊かになる要素だと思います。
まとめ
今回は急速冷凍技術についてまとめてみました。
・食品が傷まない
・長持ちする
・効率化が図れる
さらに、
・作業時間の短縮
・食品ロスの削減
・品質の向上
といったメリットが考えられます。これらの技術を駆使して作られた、いつでもどこでも美味しい石垣島産フルーツを堪能してください!