今回からまた野菜の解説も徐々に行っていこうと思います。
ということでブロッコリー編!筋トレに情熱を燃やすトレーニー達からも愛される、とても栄養豊富な野菜です。その魅力や栄養について詳しく解説します!
・冬が旬の緑黄色野菜。特徴的な見た目のわりに味はクセが少なく食べやすい
・全体的に栄養素のバランスが高く安定している
・筋トレや生活習慣病予防、アンチエイジングまで幅広い効果がある
目次
【凝縮された森】ブロッコリーはこういう野菜【旬、味、食べ方など】
ブロッコリーはアブラナ目アブラナ科、アブラナ属に属する野菜です。和名はメハナヤサイ(芽花野菜)もしくはミドリハナヤサイ(緑花野菜)、英名はbroccoliです。
ブロッコリーやカリフラワーはキャベツの変種で、咲き始めのころは区別が難しいくらいそっくりです。
どちらかというとカリフラワーの方が原種に近く、細かく言えばブロッコリーはキャベツの変種であるカリフラワーの変種ということになります。
ちなみにロスマネコもカリフラワーの変種です。この二つについてはまた別で解説しようと思います。
さて、ブロッコリーですが、北海道から沖縄まで広く栽培されています。上位は北海道、愛知県、埼玉県となっています。
旬は11月-3月ごろで、冬の野菜ですね。しかし、国内でも時期をずらして栽培しており、輸入品もあるため通年食べることのできる野菜の一つです。
味は緑の野菜らしく、キャベツを濃くした感じの青味と若干の苦みがありますが、ピーマン程苦くもないので食べやすい部類の野菜です。
特徴的なのは食感の方で、小さな蕾が集まっているためぽろぽろとした独特の食感があります。蕾の部分は歯切れよく、噛んでいて心地のいい食感となっています。
茎の部分は育っていると繊維質な場合があり、噛み切れないほど硬い時もあるので適度に表面を削ぎ落し、茹でることでサクサクと食べられます。
ブロッコリーには大まかに3種類あり、収穫時期や部位によって分けられます。
ブロッコリー | 茎ブロッコリー | ブロッコリースプラウト |
普通のブロッコリー |
スティック的に食べられる |
新芽。特定の栄養が豊富 |
次項で詳しく説明しますが、近年注目されているブロッコリースプラウトは様々な健康効果のあるスルフォラファンという成分が普通のブロッコリーの数十倍(なんと50倍近く!)含まれていると言われています。
ちなみに、紫色のものがありますがあれは変色ではなく霜から身を守るために生み出されたアントシアニン色素なので、むしろ栄養価が高いです。茹でると鮮やかな緑色に戻ります。
食べ方としては茹でる、蒸す、サラダ、シチュー、グラタン、パスタ、ステーキの添え物などなど多くの調理法で食べられています。
栄養を重視するトレーニー達の間では、低温(70℃程度)で蒸して鶏むね肉などと一緒に食べられていることが多いようです。
ブロッコリーの栄養!高栄養で頼りになる野菜
それではブロッコリーの栄養素を抜粋して紹介します。
・熱量(40kcal)
・食物繊維(5.1g)
・たんぱく質(3.6g)
・βカロテン(900μg)
・ビタミンB1(0.17mg)
・ビタミンB2(0.23mg)
・ビタミンC(140mg)
・ビタミンE(3.0mg)
・カリウム(460mg)
・カルシウム(50mg)
・マグネシウム(29mg)
・スルフォラファン
※()内は100g中の含有量を記載
このような栄養が含まれています。これは比較的含有量の多いものを抜粋していますが、この他にもパントテン酸や葉酸、ビタミンKなど、様々な栄養が高いバランスで含まれています。
中でも特に注目すべきものを太字にしています。
それでは、上記の栄養素の効果をまずは簡単にまとめます。
食物繊維 | 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する |
---|---|
たんぱく質 | 筋肉、皮膚、髪の毛など体を構成 |
βカロテン | 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上 |
ビタミンB1 | 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復 |
ビタミンB2 | 脂質の代謝、成長促進、老化予防 |
ビタミンC | 抗酸化作用、ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防 |
ビタミンE | ホルモンバランスを整える、肩こり・生理痛・冷え性改善 |
カリウム | 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防 |
カルシウム | 骨や歯を作る、気持ちを安定させる、免疫力を高める |
マグネシウム | カルシウムの補助、不整脈予防、体温・血圧の調整、血糖値の調節 |
スルフォラファン | 殺菌作用、抗炎症作用、二日酔い予防、抗酸化・抗糖化作用 |
このような効果があります。多すぎるので、更に特徴的な部分について詳しく解説します。
2-1.ブロッコリーがトレーニー達に愛される理由とは【ビタミン、ミネラル、テストステロン】
ブロッコリーは筋トレをする人たちにも特に人気のある野菜です。
その理由の一つとして、野菜の中ではたんぱく質が多いためです。
筋肉はもちろん、髪、爪、皮膚などを作るたんぱく質はまさに体にとって必須の栄養素です。
たんぱく質はそれ単体では体を作れません。ビタミン、ミネラルなど豊富な栄養素があって初めて効率よく働くことができます。
中でもブロッコリーにはビタミンB1、B2が多く含まれており、これらは糖質、脂質の分解をサポートしてくれます。
更に、筋肉の合成に必要なビタミンB6も含まれており、まさに余計な脂肪を付けずに筋肉を付けたいトレーニー達にうってつけの野菜となっています。
もちろん、そこまで筋トレに情熱を燃やしていなくても、バランスよく栄養素が含まれているため誰にでもお勧めできる野菜です。
もう一つ、筋トレ向きな理由としてカルシウムとマグネシウムを含んでいるという点もあります。
筋力をつけるにしてもまず体を支える骨が丈夫である必要があります。ブロッコリーには骨や歯を強くするカルシウムとそれを補佐するマグネシウムが良い塩梅で含まれており、体を芯から強くする効果があります。
更にさらに、ブロッコリーに特有の成分として、テストステロン(男性ホルモン)を増強する働きを持つものがあります。
ジインドリルメタンとI3Cと呼ばれるそれらの成分は、筋肉の増強を助けるテストステロンを増やし、脂肪を蓄えるエストロゲン(女性ホルモン)を抑える働きがあります。
これらが揃ったブロッコリーはまさに筋トレに最適な野菜と言えます。
当たり前ですが、ただブロッコリーを食べていれば体が引き締まり、ムキムキになるというわけではありません。
あくまで適切なトレーニングと正しい食事制限があっての筋肉増強、ダイエットです。
食べるだけで痩せる、などという方法は原理的にあり得ないのでその点はきちんと認識しておきましょう。
2-2.肝臓や胃の負担を軽減し、生活習慣病を予防する!
ブロッコリーに特徴的な成分であるスルフォラファンには、体内の解毒酵素の働きを高める効果があることが分かっています。
肝臓は体の中で解毒を行う臓器であり、例えばアルコールを分解したり、鉛や水銀といった重金属を無毒化して体外へ排出してくれています。
スルフォラファンはこの働きを助けてくれるため、肝臓の負担を軽減してくれます。
具体的には二日酔いの予防やがん予防といった効果が期待できます。
また、スルフォラファンには胃潰瘍や胃がんの原因であるピロリ菌の殺菌作用もあり、これらの予防効果も報告されています。
スルフォラファンには他に、抗酸化作用、抗糖化作用があります。
抗酸化作用は活性酸素を減らす作用、抗糖化作用はAGE(終末糖化産物)を減らす作用です。
どちらも老化の原因となる物質を減らしてくれるため、アンチエイジング効果に加え、体の各部の劣化を防いでくれるため生活習慣病の予防効果があります。
具体的に言うと肌のシミ・そばかすを予防、動脈硬化予防、糖尿病予防、心臓病予防、脳卒中予防などが当てはまります。
ブロッコリーにはスルフォラファンだけでなくβカロテンやビタミンCなども含まれているため、美肌や美容効果は更に高まります。
上でも少し触れましたが、このスルフォラファンはブロッコリースプラウトに特に多く含まれているため、効率的に摂取したいのであればおすすめです。
2-3.貧血を予防し、免疫力を高め体を元気にしてくれる!
豊富な栄養素が多すぎるため上記の表には入りきりませんでしたが、ブロッコリーには葉酸や鉄、ビタミンB12など造血に関するビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。
これらは赤血球の生成を助け、貧血予防に効果的です。
また、βカロテン、ビタミンC、カルシウムを初めとして免疫力を高める効果のある栄養素も含まれています。
風邪を予防し、また病気からの回復を早めるなど強く元気な体を維持する強力なサポートをしてくれます。
ビタミンCやカルシウムにはストレスを緩和し、精神を安定させる作用もあるためまさにフィジカル的にもメンタル的にも健康になれる野菜と言えます。
【まとめ】ブロッコリーは豊富な栄養素を含み、体を強く健康にしてくれる野菜だった
今回はブロッコリーについて解説しました。
特に健康を考えているトレーニー達の間でも特に人気の高い野菜は、やはりとても健康に良い効果を持っていました。
最後に内容を簡単にまとめます。
・旬は冬だが、年中食べられる美味しい野菜
・ブロッコリースプラウトは通常のブロッコリーよりスルフォラファンが数十倍含まれている
・筋トレ、病気予防、アンチエイジングと全てにおいて高い効果がある
以上です。皆さんも普段の食事に意識的にブロッコリーを取り入れ、心身ともに健康な体を作っていきましょう!