野菜解説

ビタミンACEの力!かぼちゃの栄養を解説 野菜別解説-かぼちゃ編

ハイサイ!前回は緑黄色野菜の中でも栄養価の高いほうれんそうについて解説しました。

今回はかぼちゃ編!同じく緑黄色野菜であり、また栄養も負けず劣らず高いかぼちゃについて旬や味、栄養、健康効果について解説します。

要点まとめ

・秋~冬が旬の緑黄色野菜、ホクホク甘く煮込み料理やお菓子にも
・健康効果は高く、美肌・冷え性予防・免疫力アップなど
・なんと抜け毛予防、更年期障害の症状改善にも効果的

 

かぼちゃの旬や味、食べ方などの基礎知識

かぼちゃはウリ目ウリ科、カボチャ属に属する野菜です。和名はカボチャ(南瓜)、英名はpumpkinです。

ほうれんそうやオクラ、ニンジンなどと一緒の緑黄色野菜ですね。

緑黄色野菜とはカロテンを多く含む(600μg/100g)野菜の総称です。カロテンは天然の色素であり、これが多く含まれていると黄色や緑といった色が濃くなるためそのように呼ばれています。

カロテンが基準値以下のものは「淡色野菜」といいます。少し面白いのは、単純にカロテン量で分けているので、芽キャベツは緑黄色野菜なのにキャベツは淡色野菜にカテゴライズされていたりします。

これはカロテン量による分け方でしかないため、もちろん淡色野菜の中には他の栄養素が豊富なものもたくさんあります。なので淡色野菜は栄養価が低い、とは一概に言えません。

さて、かぼちゃですが、海外だと中国、メキシコ、ニュージーランドなどで多く作られています。国内だと北海道、鹿児島、茨城など全国で広く栽培されています。

その土地に合わせたかぼちゃが多くあり、沖縄も生産量全国10位以内に入ることが多いです。石垣島でも島カボチャ(ナンクワーやチンクワー)と呼ばれるかぼちゃを店先や民家の庭などでよく見かけます。

特に島で売っているカボチャは実に見た目が豊富で、いろいろな色や形のかぼちゃを見ることができます。

石垣島アートボックスさんより

ほぼ通年手に入りますが、旬は10-12月の秋~冬ごろになります。収穫は夏に行いますが、その後数か月貯蔵されたものが実が締まり、甘みも濃くなり美味しくなります。

このようにとても保存性のいい野菜で、涼しく風通しの良い場所に置いておけば栄養素の損失もほとんどなく、1,2か月程度であれば問題なく保存できます。

ただし、切ってしまったり皮に深い傷がついていたりするとすぐに腐ってしまうため、その点は注意しましょう。

味は甘く、ウリ科特有の青臭さはあまり感じません。食感はホクホクとしており、濃厚な風味と味を楽しめます。種と一緒に捨てられてしまうことの多いワタの部分は実より甘く、食物繊維なども豊富なためできれば一緒に食べた方が良いです。

皮は固いですが煮込むと柔らかくなり、煮物やBBQ、ポタージュなどの料理の他、パンプキンケーキやパイなどお菓子にも良く利用されています。

種もパンプキンシードとして、素揚げ、炒る、レンジで加熱したりすればナッツと同じように食べることができます。

皮、実、種、ワタ、どこにも栄養が豊富に含まれているため、できればどこも捨てずに食べたい野菜です。

 

日本かぼちゃと西洋かぼちゃの違いは?

かぼちゃには大きく分けて日本かぼちゃと西洋かぼちゃがあります。

日本かぼちゃ 西洋かぼちゃ

凸凹がはっきりしている

食感ねっとり、葉酸が多くカロリーは低い

つるつるとしている

食感ホクホク、カロリーも栄養も高め

 

特徴をまとめると上記のようになります。日本かぼちゃでは菊座かぼちゃなどが有名ですね。

日本かぼちゃは凸凹しており、西洋かぼちゃと比べると食感はねっとりとしており、淡白な味わいです。煮物にするにはこちらの方が味が染みて美味しいですね。

一方西洋かぼちゃは表面がつるつるとしていて、食感はホクホクとしており蒸したり、コロッケ、お菓子などに向いていて主に日本でもこちらの方がメジャーに食べられています。

栄養は全体的に西洋かぼちゃの方が高く、ビタミンCは約2.7倍、βカロテンは約5.5倍含まれています。葉酸は日本かぼちゃの方が多く、カロリーは約半分です。

どちらが優秀、というわけではありませんが、栄養のみを考えるのであれば西洋かぼちゃの方がおすすめです。

逆に妊娠中の方で葉酸を多く取りたかったり、ダイエット中でカロリーを控えたいという方は日本かぼちゃの方が向いています。

 

かぼちゃの栄養!ビタミンエースなど豊富な栄養が含まれている!

では、かぼちゃの栄養素を抜粋して紹介します。

西洋かぼちゃの栄養素(抜粋)

・熱量(91kcal)
・食物繊維(3.5g)
βカロテン(4000μg)
ビタミンC(43mg)
ビタミンE(5.1mg)
・パントテン酸(0.62mg)
・葉酸(42μg)
・カリウム(450mg)
・鉄分(0.5mg)
・リグナン

概ねこのような栄養素が含まれています。特徴的なのはやはりビタミンエース(A,C,E)がバランスよく豊富に含まれていることですね。

それぞれの栄養素の効能を簡単にまとめます。

食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
βカロテン 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上
ビタミンC 抗酸化作用、ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防
ビタミンE ホルモンバランスを整える、肩こり・生理痛・冷え性改善
パントテン酸 LDL(悪玉)コレステロール低下、リラックス効果、免疫力を高める
葉酸 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防
カリウム 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
鉄分 疲労改善、貧血予防
リグナン 抜け毛予防、更年期障害改善、骨粗鬆症予防、肥満予防

このような効果があります。特に注目すべきものを解説します。

 

3-1.美肌効果が高い!【ビタミンACE】

かぼちゃにはビタミンエースと呼ばれるビタミンA(βカロテンが必要な分だけ体内で変換される),C,Eが豊富に含まれています。

このビタミンACEはそれぞれ肌を健康に保つ効果があります。

ビタミンAは皮膚や粘膜を保護し、肌の潤いを保ちます。

ビタミンCはメラニン色素の沈着を防ぎ、シミ・そばかす予防になります。またコラーゲンの生成も助けるため、肌のハリを保ってくれます。

そしてビタミンEはとても強い抗酸化作用を持ち、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。

肌の老いを防ぎ、アンチエイジング効果、血行促進作用があります。

これらビタミンACE達はそれぞれが相乗効果を発揮し、より効果を高めあいます。

もちろん、肌をきれいにするには肌の元になるたんぱく質も必要になるため、一緒に肉、魚、卵、乳製品、大豆といった食品を取るのが望ましいです。

 

3-2.免疫力を高めてくれる

上でも触れましたが、かぼちゃに含まれるβカロテンは皮膚や粘膜を保護し、丈夫にしてくれる作用があります。

皮膚や粘膜はいわば細菌やウィルスから体を守る最初の壁であり、そこを強化することで免疫力を高めてくれています。

また、ビタミンCは白血球や好中球の働きを助け、自身もウィルスを攻撃するなど、今度は体内での免疫機能を高めています。

この二つの成分によって免疫力を高め、風邪を予防し、風邪にかかってもすぐに回復する強い体を作る助けになります。

 

3-3.貧血、肩こり、冷え性を予防!

かぼちゃには鉄分や葉酸も多く含まれています。これらは造血に関わり、貧血予防に効果があります。

また、ビタミンEには血流を改善する作用があり、末梢血管の血流が悪くなることで起こる冷え性や肩こりを予防・改善する作用があります。

かぼちゃに含まれるビタミンEの量は野菜の中でもトップクラスであり、高い効果が得られます。

他には食物繊維も多く含まれているため、便秘の改善にも効果がありますね。

このようにかぼちゃは体の不調を整えてくれます。

 

3-4.抜け毛に効果あり!?リグナンの効果

かぼちゃに特徴的な成分の一つに、リグナンというポリフェノールがあります。

リグナンは特に種の部分に多く含まれているため、効率的に取りたい方はかぼちゃの種を捨てずに食べることをお勧めします。

これは大豆のイソフラボンのように女性ホルモンに似た働きを示し、男性ホルモンの働きを抑制します。

男性ホルモンのジヒドロテストステロンは、毛髪を生み出す毛母細胞と呼ばれる細胞の働きを弱め、薄毛を進行させるとされています。

リグナンの働きで男性ホルモンが抑制されることで育毛や薄毛に効果があると考えられます。

前述したようにビタミンACEにより肌や髪が綺麗になるため、より丈夫な毛髪を育てるのに効果的です。

また、リグナンは女性ホルモンに似た効果を得られるため、その影響は抜け毛だけではありません。

更年期障害の症状を改善し、骨粗鬆症を予防肥満を予防コレステロール値を下げるといった効果も期待できます。

 

【まとめ】かぼちゃは美肌に良いだけではなく、体の調子を整え、抜け毛予防にもなる野菜だった

今回はかぼちゃについてお話ししました。

手軽に手に入る割に食べ応えがあり、健康効果も高い優秀な野菜です。

内容を簡単にまとめます。

・全国的に栽培されている、ホクホクと美味しい秋の味

・日本かぼちゃはカロリーが低く葉酸が多い、西洋かぼちゃは栄養もカロリーも高い

・ビタミンACEによる美肌効果、免疫アップ、体調を整えるなど高い健康効果

・女性ホルモンに似た成分を含み、抜け毛予防や更年期障害の改善にも効果あり!

以上です。皆さんもかぼちゃを食べ、日々健康元気に過ごしていきましょう!