果物解説

木に生るアイスクリーム、アテモヤの栄養は? 果物別解説-アテモヤ編

OKINAWA BANANAさんより

ハイサイ!前回は世界最大のフルーツ、パラミツを紹介しました。

今回はまた珍しい南国フルーツ、アテモヤを紹介します!

要点まとめ

・強い甘みにほのかな酸味、パイナップルとも柿ともつかない不思議な味
・フルーツの中では高カロリーで疲れた時の栄養補給にぴったり
・体を作るビタミン・ミネラルが豊富!

 

森のアイスクリーム!アテモヤはこんな果物【パイナップル+柿+バナナ】

アテモヤはモクレン目バンレイシ科バンレイシ属に属する果物です。和名はアテモヤ、英名はatemoyaです。国内では沖縄、鹿児島、海外では台湾やブラジルなどで生産されています。

旬は冬で、10-3月ごろにかけて食べられますが、そもそもの生産量が多くないためあまり見かけないフルーツの一つです。

株式会社 まつの さんより

アテモヤはバンレイシ(釈迦頭)とチェリモヤをかけ合わせて作られたフルーツです。

バンレイシ(釈迦頭)

チェリモヤ

tropicalfruit.netさんより

どれもバンレイシ科の果物であり、似たような見た目をしていますね。

強いて言えば釈迦頭は名前の通りおしゃか様の螺髪(らほつ)に似たような形をしており、チェリモヤはつるっとしています。

味は釈迦頭は甘みが際立って強く、チェリモヤは強い甘さの中にも酸味があるといった印象です。

アテモヤはまさにその中間の感じで、強い甘さの中にほのかな酸味を感じます食感はねっとりとしており、これが森のアイスクリームと呼ばれている理由かと思います。味自体がアイスクリームというわけではありません。柿やライチっぽいという人もいれば、パイナップルやバナナが混ざった感じと表現する人もいます。

パラミツ程強烈なインパクトのある味ではないため、南国フルーツになれていない人でもまだ食べやすいと思います。

食べ方としては冷やして生で食べるのがおすすめですが、無糖のヨーグルトに入れたり、凍らせて食べるのも美味しいです。

ちなみに、追熟(収穫後にしばらく置いて熟成させること)させないと美味しくないため、購入してかたい時は押して少し柔らかくなり、表面が茶色くなり始める頃まで常温で置いておきましょう。

マンゴーなどもそうですが、南国フルーツは冷蔵庫に入れておくとあまり熟さず、低温障害で逆に甘みが減ったりする場合もあるので注意が必要です。逆にスイカなどは冷やした方が甘みが増します。

 

アテモヤの栄養はこちら!ホルモンバランスを整え、疲労回復

それではアテモヤの栄養素を抜粋してみていきましょう。

アテモヤの栄養素(抜粋)

・熱量(79kcal)
・炭水化物(19.4g)
・ナイアシン(0.9mg)
ビタミンB6(0.28mg)
・葉酸(23μg)
・カリウム(340mg)
・カルシウム(26mg)
・マグネシウム(29mg)
・リン(24mg)
・グルタミン酸(230mg)
アスパラギン酸(120mg)
※()内は100g中の含有量を記載

このような栄養素が含まれています。特に注目すべきものを太字にしています。

それぞれの栄養素の効能を簡単にまとめます。

炭水化物 体内でのエネルギー、脳の唯一の栄養
ナイアシン 酵素の働きを助ける、皮膚や粘膜の健康維持、血流を改善する
ビタミンB6 脂質の代謝、成長促進、アレルギー緩和、ホルモンバランスを整える
葉酸 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防
カリウム 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
カルシウム 骨や歯を作る、気持ちを安定させる、免疫力を高める
マグネシウム カルシウムの補助、不整脈予防、体温・血圧の調整、血糖値の調節
リン 骨や歯を丈夫にする、生理機能の維持、エネルギーを蓄える
グルタミン酸 脳を活性化、脂肪の蓄積を抑える、美肌効果、血圧を下げる
アスパラギン酸 疲労回復、夏バテ予防、新陳代謝を活発にする

では、特徴的なものについてもう少し分かりやすく見ていきましょう。

 

2-1.果物の中では比較的高カロリー。集中してエネルギーを取るのに便利

アテモヤのカロリーは79kcal/100gと、パイン(51kcal/100g)やマンゴー(60kcal/100g)と比べるとやや高いです。

アテモヤには糖質の中でもブドウ糖が多く含まれており、これは脳が唯一利用できる栄養素です。

勉強をするときや仕事中の栄養補給としてブドウ糖のタブレットが売られていたりしますね。あれはブドウ糖が不足するとイライラしたり、集中力が切れやすくなるのを予防するためです。

近頃のダイエット・ボディメイクの流行や健康志向の高まりで何かと敵視されやすい糖質ですが、体にとって必須な栄養素であることは間違いありません。

実際、元気のない時の栄養補給だったり、赤ちゃんの離乳食として食べさせている地域もあるようです。

 

2-2.骨や歯、皮膚や粘膜など体を作る栄養が豊富!【ホルモンバランスを整える効果まで】

アテモヤにはカルシウム、マグネシウム、リンなどの必須ミネラルが多く含まれています。

カルシウムやリンは歯や骨を作るのに必須です。マグネシウムはそれらを補助し、より効率よく吸収できるようにしています。

ナイアシンは三大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質の代謝をサポートし、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせません。さらに血流を良くする効果もあるため、冷え性の改善動脈硬化の予防などに効果があります。

葉酸も含まれており、これは赤血球の元で貧血予防になったり、神経の発達を促すため妊娠中の女性や成長期の子供は積極的に取りたい栄養素です。

アテモヤにはビタミンB6も含まれています。ビタミンB6は非常に効果が多彩なビタミンで、ホルモンバランスを整え、月経不順を改善し、つわりの症状を改善するという効果があります。

更に、たんぱく質の代謝を助け、皮膚や粘膜・筋肉・髪・歯・爪などカルシウムと合わせて丈夫な体を作るのにも役立ちます。他にも脂肪肝を改善するアレルギー反応を抑制するなどの効果まであります。

 

2-3.疲労回復し、エネルギッシュな毎日を過ごすサポートをする

アテモヤに含まれているグルタミン酸、アスパラギン酸はアミノ酸の一種でうま味成分の一つです。

グルタミン酸は脳機能を活性化させる働きがあり、記憶力の向上認知症予防の効果が報告されています。

一方で、リラックス物質であるGABAを生産する材料にもなり、気持ちを落ち着かせる効果もあります。

アスパラギン酸には疲労回復効果があり、スタミナを向上させて日々元気に過ごすサポートをしてくれます。

また、カリウムやマグネシウムを細胞内へ移動させ体調を整える効果もあります。

肌の水分を保持する保湿効果があるのも嬉しいところです。

 

【まとめ】濃厚な甘さのアテモヤは元気な体を作るのに有効だった

今回はアテモヤについて解説しました。簡単に内容をまとめます。

・とても甘く、ほんのり酸味がある

・パイナップルや柿、ライチ、バナナっぽい味

・果物の中ではカロリーが高く、栄養補給に適している

・元気な体を作り、エネルギッシュな日々を送りたいならアテモヤを食べよう!

アテモヤは旬が冬なので、夏はパイナップルやマンゴー、冬にはアテモヤを食べると年中南国フルーツが楽しめますね。

皆さんも石垣島や沖縄本島で見かけた際には一度手に取ってみて下さい!