果物解説

冬の味覚の代表!みかんの栄養は? 果物別解説-みかん編

ハイサイ!前回はメロンについて解説しました。

今回はみかん編!冬の味覚の代表ともいえる果物ですが、その特徴や栄養についてまとめました。

要点まとめ

・冬が旬の柑橘系果物
・風邪予防に美容に、頼りになるフルーツ
・ダイエット、生活習慣病予防と健康になる要素も詰まっている

 

冬といえばみかん。一つの季節を代表する果物の特徴とは

みかんはムクロジ目ミカン科、ミカン属に属する果物です。一般的にみかんというと、温州みかんのことを指します。和名はウンシュウミカン(温州蜜柑)、英名はcitrus unshiuもしくはsatsuma mandarinです。

温州は中国の地名から来ています。中国からアメリカ、スペインと世界中で栽培されています。

日本では和歌山県、愛媛県、静岡県などで多く作られています。比較的温暖なところで栽培されていますが、柑橘類の中では寒さに強い方です。石垣島でもみかんは作られていますが、沖縄地方では生産量が少なく、北限も千葉や福島辺りといわれており、暑すぎず寒すぎないところで作られているという感じですね。

品種も多く、和歌山の有田みかん、愛媛の日の丸みかん、静岡の浜名湖みかんなどが有名でしょうか。

品種によって差はありますが、旬は11-12月くらいです。

みかんに特徴的な収穫時期での分類として、極早生(ごくわせ)、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)というものがあります。

皮がまだ緑色の超早期に取ったものが極早生で、9-10月くらいには出回ります。

早生や中生は10-12月くらいに出回る黄色~オレンジ色のもので、晩生は12月以降に出てくるものですね。

味は甘みと酸味がしっかりとあり、芳しい柑橘系の芳香が楽しめます。中の果肉はジューシーでとても美味しいです。

早取りの方が酸味の強いものが多いですね。逆に晩生になってくると甘みが強く、皮は厚くなります。

厚い外皮の中には白い透明な薄皮があり、また筋もついてきます。多くのものはそのまま食べられますが、食感が気になるという人は包丁で片側を切り丁寧に剥くか、重曹で煮ると溶かしてしまうこともできます。

みかんは傷みやすいというイメージがあるかもしれませんが、きちんと保存すれば2-3週間は持ちます。保存するときに長持ちさせるポイントは

①冷暗所に置く

②冷蔵庫に入れるときは乾燥防止のため一つ一つキッチンペーパーなどで巻く

③重ねるときは2段以上にしない

④ヘタを下にする(水分の蒸発防止)

等を守れば長持ちしやすいです。

食べ方としては生で食べるもよし、冷凍みかんにしたり、ジュースやゼリー、ケーキに乗せる、フルーツソースとして使うなど様々な形で親しまれていますね。

 

みかんの栄養!ビタミンCだけではない、ユニークな効果が

では、みかんの栄養素を抜粋して紹介します。

みかんの栄養素(抜粋)

・熱量(46kcal)
・食物繊維(1.0g)
・βカロテン(180μg)
・ビタミンB1(0.10mg)
・葉酸(22μg)
ビタミンC(32mg)
・カリウム(150mg)
βクリプトキサンチン(2000μg)
・クエン酸(1.0g)
・ヘスペリジン
シネフィリン
※()内は100g中の含有量を記載

このような栄養素が含まれています。特に含有量の多いものや注目すべきものを太字にしています。

それぞれの栄養素の効能を簡単にまとめます。

食物繊維 便秘の解消、腸内環境改善、満腹感を維持する
βカロテン 生活習慣病(動脈硬化や心筋梗塞)予防、美肌効果、免疫力向上
ビタミンB1 糖質の代謝、皮膚や粘膜の健康維持、疲労回復
葉酸 胎児の健全な発育、貧血予防、認知症予防
ビタミンC 抗酸化効果、ストレス緩和、肌荒れ予防・改善、感染症予防
カリウム 高血圧予防、むくみ予防、美肌効果、夏バテ予防
βクリプトキサンチン 脂肪燃焼効果、骨粗鬆症、肝機能異常症、動脈硬化、2型糖尿病予防
クエン酸 疲労回復、美容効果
ヘスペリジン ビタミンCを安定させる、冷え性改善、血圧を下げる、ストレス改善
シネフィリン 気道を広げる、のどの風邪予防、脂肪燃焼、食欲抑制

以上のような効果が期待できます。もう少し深堀して解説します。

 

2-1.みかんを食べると風邪を引かないは正しかった【感染症予防】

温州みかんに特有の物質として、シネフィリンという成分があります。

これはみかんの酸っぱさの成分で、気道を広げて息を楽にして、咳やタン、のどの痛みといったのどに関する風邪を予防する効果があります。

シネフィリンだけではなく、βカロテンやビタミンCにも免疫力を高め風邪を予防する働きがあるため更に効果は高まります。

また、同じくみかんに含まれるヘスペリジンにはビタミンCを安定させ、壊れにくくする作用があり、更なる相乗効果が期待できます。

まさに風邪を引きやすい冬の時期にはもってこいの果物ですね。

 

2-2.疲労を回復して更に丈夫な体へ【生活習慣病も予防】

みかんにはクエン酸が含まれており、これは疲労物質の乳酸を分解してエネルギーに変える働きがあります。

また、ビタミンB1にも同じく疲労回復効果があります。

そしてみかんに非常に多く含まれているのがβクリプトキサンチンです。これはみかんの色を出している色素ですね。パプリカやトウガラシにも含まれています。

βクリプトキサンチンにはとても多くの効果があり、動脈硬化や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病から骨粗鬆症まで予防する効果があると分かっています。

同じく生活習慣病予防効果が期待できるカロテノイドの仲間であるβカロテンや、高血圧を予防するカリウム、血液をサラサラにするヘスペリジンと合わせて非常に高い健康効果があるといえます。

冬というのは寒い外気温から体温を維持するためにかなり体力を使うものです。

これら栄養素によって、疲れた体を回復させ、また現代人が罹りやすい病気からも守ってくれるいいことづくめの果物ですね。

 

2-3.もちろん美容効果もあり

これまで紹介してきたビタミンCやβカロテン、βクリプトキサンチンなどはどれも抗酸化作用を持っており、美容・アンチエイジング効果も高いです。

身体の老化の原因となる活性酸素を除去し、肌のしわやたるみ、血管や内臓の劣化を防いでくれます。

ビタミンCやβクリプトキサンチンにはメラニン色素の沈着を防ぐ効果もあり、シミ・そばかすを予防・改善できます。

カリウムには体内の水分量を調整し、むくみ予防の効果もあります。

さらに、みかんは100gあたり46kcalと低カロリーであり、ダイエットにも向いています。実際に海外ではシトラスダイエットというものもあるようです。

ただし、大前提としてダイエットは「痩せる」ものではなく「体を健康な状態にする」ものです。極端なことをやってもかえって体には悪影響になります。

シトラスダイエットも簡単に書かれていますが、要はカロリー収支をしっかりと計算して、脂質・糖質を抑えたんぱく質を多めにとるという当たり前のことをやる必要があるので、たくさんみかんを食べればそれだけで痩せるというものではありません。

ですが、みかんに含まれているシネフィリンには脂肪を燃焼させ食欲を抑制する作用もあり、食物繊維が満腹感を維持してくれるため、そういった点でいえばやはりダイエット向きの食材と言えます。

 

【まとめ】冬の味覚の代表みかん。風邪と生活習慣病を予防し、美容効果も抜群!

今回はみかんを紹介しました。内容を簡単にまとめます。

・冬(11-12月)が旬の柑橘系果物

・風邪を予防して、体力回復もサポート

・生活習慣病予防効果もあり

・ダイエット向きだが、みかんだけ食べていれば痩せるというものではない

以上となります。皆さんも冬の味覚を楽しんで、風邪を引かずに元気に過ごしていきましょう!